健康管理
健康経営宣言
ローソンのグループ理念「私たちは“みんなと暮らすマチ”を幸せにします。」に基づき、お客さまの健康生活全般をサポートする企業として、私たちの健康を推進いたします。
健康は、本人だけでなく家族を含めた望みであり、会社の発展にとっても欠かせない要素です。
家庭生活が充実してこそ仕事で最高のパフォーマンスが発揮できます。
また、健康寿命延伸は、労働力の確保、医療費削減等、日本における社会の要請でもあります。ローソンは、経営としてローソングループの健康の維持向上に努めることを宣言いたします。
代表取締役 社長 兼 CSO※ 竹増 貞信
CSO=チーフ・サステナビリティ・オフィサー:最高サステナビリティ責任者
健康ビジョン
ローソンはグループ理念「私たちは“みんなと暮らすマチ”を幸せにします。」のもと、「マチの“ほっと”ステーション」を目指して、事業方針「3つの約束」の実現にチャレンジしています。
その中の一つ、「人への優しさ」では、食の安全や健康に配慮した商品・医薬品の販売、さらに働く人へのやさしい環境を約束しています。
FC加盟店オーナー・クルーを含む従業員が「健康」の意味や意義について共有・共感・協同できるよう、組織であるローソングループ健康推進室、人事本部、ローソン健康保険組合、そして個人である従業員それぞれが課題発見→取り組み→検証を行うPDCAサイクルを回せる体制をつくっています。
常にこのサイクルを回し続けることで、課題をしっかりと把握し、社会環境変化や従業員の価値観変容にあった施策が行えるよう今後も取り組んでまいります。
健康経営推進体制
社長がCSOとして、健康ステーション推進委員会委員長となり、社内及びお客さまに向けて健康の取り組みや、健康経営を強化・牽引しています。
また、グループ社員の良好な健康状態の維持・向上のため、専門スタッフの常駐する「ローソングループ健康推進室」を社長直轄組織として設置し、CSO補佐、人事本部、ローソン健康保険組合、労働組合と連携し、さまざまな施策を展開しています。
また、各エリアに配置している「元気リーダー」を中心に健康アンバサダー活動を実施しています。隔月の会議では、産業医や保健師による健康情報の提供や意見交換を実施。健康活動を広げるアンバサダーとして、各エリアの従業員が健康に関心がもてるよう情報発信等を積極的に行っています。
戦略マップ
ローソンが健康の取り組みを通じて目指す姿は、FC加盟店オーナー・クルーを含む従業員一人ひとりがセルフケア意識を高くもち、心身ともに健康でパフォーマンスを最大限発揮できる状態です。
また、その一人ひとりが、仲間を尊重し思いやりをもち協力することで「明るく・楽しく・元気に働きがいのある職場の実現」をすることです。
従業員の健康=幸せ はグループ理念である「私たちは“みんなと暮らすマチ”を幸せにします。」に寄与することができ、その実現が企業価値向上につながると考えています。
この実現に向けた一連の流れを可視化した戦略マップを活用しながら取り組んでいます。
2023年度健康診断結果
2023年度は、前年度と比較して健康診断結果に基づく検査数値適正範囲者については良化した項目がある一方で、悪化した項目も散見されました。
各項目の良化を目指しつつ、既に健康リスクを有している方については、各種施策を通じてリスクの顕在化を防ぐためのアプローチをします。
喫煙については、2019年度以降は少しずつではありますが着実に進捗しています。禁煙補助事業や社内掲示板を用いた情報発信が奏功した結果となりました。
従業員一人ひとりが健康的で充実した社会生活を送れるように、引き続きローソングループ健康推進室とローソン健康保険組合で協同してサポートしていきます。
健康診断の問診における6項目への回答については、多くの項目で改善が認められました。とりわけ、運動習慣に関する項目については2019年度以降は堅調に推移しています。
例年取り組んでいるウォーキングイベントが習慣として定着しつつあるなか、従業員の運動に対する意識の高まりを感じる結果となりました。
各種の施策を通じて、一人でも多くの従業員が生活習慣の改善を実感できるように、継続したサポートを実施していきます。
健康診断に関わる取り組み
従業員一人ひとりが、より健康で生産性が高い状態で働ける職場にするためには周囲のサポートが不可欠であると考えています。
そのため「健康アンバサダー」を各エリア・部署に配置し、周囲の従業員へ健康情報や施策の周知を担ってもらい、食事や運動など生活習慣の改善や健診受診、面談などを気兼ねなく実施できる環境づくりを進めています。また各部署の責任者に週次の健診予約状況などの必要な情報を提供することで、従業員がスピーディーに対応できるようにサポートしています。
こうした取り組みを継続することで、健診受診、再受診報告の完了時期も年々前倒しとなっています。
オプション検査(がん検診)の受診率向上
定期健診受診時にオプション検査(がん検診)を追加して受診できるようにし、受診の必要性や検査方法について詳しく周知する取り組みを継続しています。
その結果、男女ともに受診率は伸長傾向にあります。特に2020年度以降、婦人科検診を全年齢で無償化したことで、女性の受診率は大きく伸長しています。
また、脳検査の受診率も年々伸長しており、2023年度には女性の受診率が初めて30%を超えました。
健診事後措置対応
健診事後措置は、健康診断結果で要医療の数値がある従業員を対象に、早期の医療介入・治療開始をサポートすることを目的に取り組んでいます。その結果、従業員の再受診報告も毎年100%を達成しています。
また、健康リスクが高い順に階層を3段階設けており、リスクに応じて治療が早急に開始できるよう人事本部や職場と連携を図りながら、従業員の健康をサポートできる体制を整えています。
さらに、生活習慣の改善が必要な層に対しても、ローソン健康保険組合と協業し従業員が「明るく・楽しく・元気に」健康でパフォーマンスを最大限発揮できるような仕組みづくりも実施しています。
従業員の健康増進を図ることは非常に重要であり、引き続き健康教育や重症化予防にも積極的に取り組んでいきます。
特定保健指導(健康サポートプログラム)
2016年度から、事業主とローソン健康保険組合のコラボヘルスとして取り組みを強化してきました。
実施率については、2022年度は44.4%と下がったものの2023年度については49.3%まで持ち直すことができています。
ローソングループでは事業主による健診後の「再受診勧奨」等のハイリスク者へのアプローチが強化されており、服薬等の治療が開始され、対象者数が減少する傾向も出てきています。
また、今後は40歳未満の当施策対象者になりうる従業員に対しても、早期に介入することで数値の悪化を予防することが期待できるため、アプローチ方法について企画・検討を開始しています。
糖尿病対策アクション(糖尿病重症化予防プログラム)
2021年度から、「血糖コントロールプログラム」を開始しました。血糖変動を可視化することで、セルフラーニングによる数値改善を目的としたプログラムを導入しています。
図1の通り、当プログラム参加者のHbA1c値の平均値が6.5%の糖尿病域から、6.2%と糖尿病境界域まで下がりました。
参加者個人のHbA1c値の変化についても、図2のとおり翌年の健診結果数値のグラフが全体的に小さくなっていることから、参加者の大半が数値改善したことがわかります。
非常に効果的なプログラムとなっているため、さらに取り組みを強化・推進していきます。
メンタルヘルスケアの取り組み
健康経営宣言を受け、「からだ」同様に「こころ」もよりよい(生産性が高まる)状態で働けるよう、包括的に取り組みを進めています。
産業医がデータ分析、研修等の取り組みに全面的に参画し、直接従業員に専門的な知識・指導を実施できる体制を整えています。
ストレスチェックや従業員意識調査等の実施により、従業員のストレス度・働きがい・満足度を分析することで、部署別・職種別の課題の抽出、職場環境改善の取り組みを推進しています。
サーベイ結果分析・実態の見える化
各調査結果の分析により、メンタルヘルスの見える化を進めています。
また、各部署責任者が自発的に結果分析・改善アクションを実施できるように、各部署の特徴や対策例などの情報をフィードバックしています。
また業務面だけでなく、「こころ」と「からだ」の健康についてもしっかりとマネジメントできるようサポートしています。
ラインケア
産業医が自社従業員の特徴や課題を踏まえて作成したeラーニングを全管理職が受講し、配下の従業員を健康面でもしっかりとサポートできる体制を整えています。
併せて、職場環境改善の研修を実施することで、従業員が明るく元気に働ける環境づくりを推進しています。
セルフケア
全従業員がレジリエンスの研修(eラーニング)を受講しています。
また健康リテラシーを醸成する動画等を自由に利用できる環境を整備し、ストレスに対してうまく向き合い、生産性を落とすことなく働いていけるようサポートしています。
健康情報の集約
2023年度から健康に関連する情報をまとめたものを社内イントラネットへ掲載し始めました。
従業員が、より健康情報を取りに行きやすく、リテラシー向上にも役立つ情報の更新などを実施しています。
復職支援プログラム
産業医・保健師による面談をはじめ、人事本部や職場と連携し、重症化を防止する体制を構築しています。
休職者については、再休職を防ぐことを目的に、本人・職場・人事本部・産業保健スタッフの4者間で情報共有を行う復職支援プログラムを2020年度から導入しており、休復職者のスムーズな職場復帰や職場の受け入れ体制構築の一助となっています。
取り組みの成果として、メンタル不調で休職した従業員が5年以内に再度休職する割合は7.6%と非常に低く推移しています。
相談窓口
社内・社外に相談窓口を設置し、メール・電話・対面等、気軽に相談できる環境を整備しています。
健康増進施策
元気チャレンジ!
元気チャレンジ!は、食事管理アプリを活用し、日々の活動を記録して生活リズムを整え、チームで協力することにより、コミュニケーション醸成を図る健康増進施策であり、ローソングループ6社と合同で取り組んでいます。
実施6年目となる2023年度のアプリ稼働者数は約2,500人となり毎年伸長しています。
そのうちの約70%が回答するアンケートで、約90%が参加してよかったと満足度が高い状況を維持し、約25%が体重減少などのカラダの変化を実感しています。
参加者にはインセンティブとしてPontaポイントが付与されますが、2020年度から継続している「ほっ♪と応援ポイント」(任意)ではポイントをフードバンクやローソングループ“マチの幸せ”募金に寄付をしており、2023年度までで延べ約40万円の寄付を行いました。
歩数イベントは毎回テーマを変えて実施しておりますが、2023年度はリアルウォーキングイベントも開催し、グループ各社も参加し約100人が江戸城を散策しました。
ローソン健康保険組合とのコラボヘルスでは、リテラシー向上のために、アプリ上で毎週健康情報クイズを実施しました。
2022年度と比較しアプリ登録者数が1,121人増加の4,918人、クイズ回答者数が355人増加し918人になりました。継続し取り組んでまいります。
元気チャレンジプラス
元気チャレンジプラスは、健康の目安としてBMI22を目指し、5ヵ月間で各自3~5%の減量を目標に取り組み、達成したら最大1万Pontaポイントが獲得できる企画です。
2023年度健診結果では、2022年度参加者全体の54%と半数以上が体重が減少し、そのうち35人が目標を達成しました。BMI25周辺の層に積極的に働きかけることで、肥満率改善が見込めるとし、2023年度も311人が参加、積極的に取り組んでいます。
スポーツ大会(ローソングループ拡大開催)
2009年度から毎年実施している「スポーツ大会」に、2023年度からグループ各社も加わりました。コロナ禍を経て、2023年度は4年ぶりのリアル開催で「ソフトボール大会」を実施しました。
グループ全体の健康とコミュニケーション活性化に取り組んでいます。
禁煙施策
従業員の健康推進及び受動喫煙の防止を目的として、就業時間内禁煙をはじめとした取り組みを2018年度から実施しています。
「禁煙を応援する社内風土づくり」を目指し、今年度は5月31日世界禁煙デーに合わせ経営層から全従業員に向けトップメッセージの発信を行いました。
2025年度には、ローソン単体の非喫煙者率75%へ向け取り組み強化を行ってまいります。
従業員の健康管理・状況
労働安全衛生法令の遵守をベースに、従業員が明るく・楽しく・元気に日々過ごすこと、自発的に健康づくりに取り組むこと、仕事と健康を両立することを柱に、活動を推進しています。
従業員の心身健康に関連する数値項目を一覧として表わし、当社の取り組み進捗として報告してまいります。
これまでの取り組み
従業員の健康に関する費用
全社員に対する健康に関連する取り組みの費用について、毎年度公表します。
FC加盟店オーナー・クルーの健康
ローソンでは、社員だけでなく、FC加盟店オーナー・クルーの健康増進も重要なテーマと捉えており、「ローソンオーナー福祉会」を通じた人間ドック及び健康診断やインフルエンザ予防接種などの補助制度を用意しています。
また、FC加盟店オーナー・クルーに、ローソンの方針や方向性を共有するセミナーにて、血管年齢や血圧・身体機能を計測する健康ブースを設置しました。健康状況を知ることで日々の健康を振り返るきっかけとし、健康診断受診促進を行い、健康維持・増進のための効果的なストレッチや身体機能チェック方法などを紹介しました。
引き続き、FC加盟店オーナー・クルーへの健康増進呼びかけを実施してまいります。
健康白書の作成
全社員の健康の推移と各種取り組みの成果を数値的に分析し、目標値の進捗状況やその他データヘルス計画に基づく結果等を健康白書として作成し、毎年度公表します。
2022年健康白書P14について、オプション(がん検査)受診率を訂正しております。
2021年健康白書P4について、2020年肥満適正範囲者を抽出するための条件設定に部分的な誤りがあったため、一部訂正しております。