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CEOメッセージ

代表取締役社長 CEO
新浪 剛史

まず、このたびの東日本大震災において、被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復興をお祈り申し上げます。 ローソンは、このようなときにこそ、企業理念「みんなと暮らす"マチ"を幸せにします。」の原点に立ち返り、全力を挙げて、被災地の復興をご支援してまいります。

本日、2011年2月期通期決算を発表しました。主な連結業績数値は下記の通りです。

営業利益 555億円
(前期比110.5%)
経常利益 545億円
(前期比110.4%)
第3四半期純利益 253億円
(前期比202.1%)

業績詳細につきましてはこちらをご覧下さい。

当期は、記録的な猛暑によりドリンク類、アイスクリーム類などの一部の商品群において売上が増加したものの、直営店のフランチャイズ(FC)化を進めたことなどに伴い、グループ全体の営業総収入は4,412億77百万円(前年同期比5.5%減)となりました。一方で、デザートやパスタといった、荒利益率の高い商品がヒットしたことにより、ローソン単体の既存店売上高前年同期比は100.8%と前年を上回りました。経費の効率的な運用も進んだことから、営業利益は555億40百万円(同10.5%増)と大幅な増益となりました。これにより、8年連続の増益となり、過去最高益を達成することができました。

■東日本大震災の影響と今後の見通しや対応

東日本大震災は当社経営にも大きな影響を与えており、三陸沿岸の店舗を中心に約20店が損壊したほか、商品の流出や物流網の寸断、原発事故による休業などもあり、合計で50億円の特別損失を計上する見込みです。当社としては、これまでも休業店舗の早期再開や商品物流網の復旧に全力をあげて取り組んでおり、今後も、被災地域のマチ(=地域)の一員として店舗網の復興に邁進していきます。

■2011年度の重点施策について

客層拡大と、エンタテイメント・eコマース事業と海外事業を成長分野と捉えた経営を推進するため、2011年度につきましては、以下の施策を柱に取り組んでいきます。

【グループ制・支店制の導入】
「CVSグループ」、「エンタテイメント・ECグループ」、「海外事業グループ」の3つのグループに分離し、それぞれに最高執行責任者=CEOを配し、意思決定の迅速化を進めます。また、全国7支社の下に76の支店長を配し、当社独自のマルチフォーマットを活用し、より地域ごとのお客様のニーズにマッチした品揃えとサービスをご提供できる店舗作りを目指していきます。

【機会ロスの削減】
ローソンの最大の経営課題である、機会ロス(お客さまが必要としている商品が売場で品切れしていること)の削減により、お客さまの満足度を高めてまいります。そのために、2010年度には「PRiSM(プリズム)」という発注業務改革を実現する基幹情報システムを導入し、機会ロスの数値化を行って「見える化」を実現しました。2011年度は機会ロスの削減を更に推進してまいります。機会ロスが減ることで発注精度が改善し、お客さまの欲しい商品をきちんと品揃えすることができれば、お客さまの満足度が高まり、ひいては、お店の評価、売上の向上にもつながると考えています。

【会員カードの活用】
共通ポイントカード「Ponta(ポンタ)」カードを活用した、マーケティング分析や販売促進策を更に進化させてまいります。Pontaの参画企業のカード発行枚数は約3,000万枚に達しました。カード会員数の増加とともに利用率も増加しており、Ponta参画各社との相互送客効果も進むなど、ローソンにとって大きな武器となっています。カード会員の購入データを分析し、マチ(地域)のお客さまの嗜好や年齢、性別に合わせた商品、新たなニーズを発掘していきます。

■中長期的な重点施策について

ローソンは、「Ponta」カード会員のデータ活用を基盤として、リアル店舗での客層拡大を推進するとともに、ネットを更に活用し、「欲しいものが、欲しい時に、欲しいところにあるローソン」を目指していきます。そのための柱は次の通りです。

【客層拡大】
今までCVSをあまり利用されなかった女性やシニアのお客さまにとって魅力的な店舗フォーマットや品揃えを実現していきます。
ローソンは、子会社の(株)九九プラスを通じて、他社に先駆けて生鮮食品の取扱いを強化してきました。これにより得られた生鮮食品のノウハウはローソンの最大の武器であり、今後、住宅立地を中心に、ローソンストア100や、生鮮強化型ローソン(ハイブリッド)店舗をさらに積極的に展開していきます。また、店内で調理した「できたてのおいしいお弁当・惣菜」をお客さまに提供することを目指しており、2004年から実験を重ね、誰でも、短時間で、おいしく店内で調理ができるシステムを開発しました。今後、引き続き実験を続け、本格展開を目指します。更に、登録販売者の育成による既存店での2類・3類医薬品の販売、ドラッグストアや調剤薬局との併設店の展開を通じて、「心と身体の健康提供モデル」を構築していきます。

【エンタテイメント・eコマース】
従来から、エンタテイメント・eコマースを重要な成長分野と位置づけ、店頭に設置しているマルチメディア端末「Loppi(ロッピー)」やインターネットサイト「Ponta&LAWSONネットショッピング」を通じたエンタテイメントグッズの販売や、子会社である株式会社ローソンエンターメディアのチケットサービスを展開してきました。2010年12月に子会社化した音楽・映像ソフト販売大手のHMVの資産を活用しながら、今後も、ネットとリアルの店舗を活用したサービス強化を進めていきます。

【海外展開】
1996年に進出を果たした上海市では、インフラの未整備や文化の違いを乗り越え、ローソンの店舗数は300店舗超にまで拡大しました。また2010年7月には、北京市、上海市、天津市と並ぶ中国の直轄市の一つである重慶市に出店しました。今後、上海で培った経験と日本型CVSのノウハウを活かしながら、中国大都市でのさらなる出店拡大と、他のアジア諸国への展開を進めていきます。

■2011年度利益計画・配当

2011年度の利益計画につきましては、東日本大震災の影響は大きいものの、商品力の強化や執行度の徹底により、連結営業利益で575億円(前期比103.5%)と9年連続の増益を見込んでおります。
また、配当金につきましては、株主の皆さまに今後も中長期的にご支援いただきたいという想いから、2012年2月期の年間配当金は前期より5円増配し、1株につき175円を予定しています。

今後ともより一層のご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

2011年4月14日

代表取締役社長 CEO

新浪 剛史

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