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前年度の成長投資から、出店の質向上と店舗整理へ舵を切り、感染症など甚大な危機にも耐えうる筋肉質な体制づくりを進めます

取締役 常務執行役員 CFO中庭 聡

2019年度(2020年2月期)実績〈連結〉

(単位:百万円)

  2018年度 2019年度  
前年比
営業総収入 700,647 730,236 +4.2%
営業利益 60,781 62,943 +3.6%
経常利益 57,700 56,346 −2.3%
当期純利益 25,585 20,108 −21.4%

2019年度の振り返り

 2019年度を振り返りますと、業界の垣根を越えた競争の激化、人手不足や人件費上昇などの厳しさが増すとともに、24時間営業については、加盟店と本部の関わり方を改めて問い直されるなど多くの課題に直面した1年でした。また10月には消費税が増税され、コンビニエンスストア業界にとっては、軽減税率が適用されるとともにキャッシュレス還元施策により、対象店舗におきましては、キャッシュレス支払のお客さまに対して支払額の2%が政府から還元されるといった事業環境の変化がありました。こうした中で当社は、幅広いお客さまから推奨されるお店となることを目指し、継続的な夕夜間強化、お客さまのニーズに応えた魅力ある商品展開、サービスの行き届いたきれいなお店づくりに取り組んでまいりました。一方で、加盟店での人手不足や人件費の上昇などの状況が続く中、店舗オペレーションの効率化、省力化/省人化などの加盟店支援を継続的に行ってまいりました。

 国内コンビニエンスストア事業におきましては、夕夜間強化により商品の品揃えを拡充し、デザートやベーカリー、調理パンといったローソンオリジナルの商品の売上が堅調となり、既存店売上高前年比は100.1%となりました。客数は、業界の垣根を越えた厳しい競争環境を背景に98.4%と前年を下回りましたが、客単価は、たばこの値上げによる影響のほか、夕夜間強化による買い合わせが増えたことや、デザートなど単価の高い商品の販売が好調だったことなどにより101.7%と前年を上回りました。

 また、出店の質を高める一方で、筋肉質の収益構造とすべく、低収益店舗の整理に取り組みました。554店出店し、769店閉店した結果、215店舗減少しましたが、概ね計画通りに取り組むことができました。その結果として、2020年2月末時点の国内の店舗数は14,444店舗となりました。海外につきましては、中国において639店舗増加と大幅に増加したこともあり、海外店舗数は2,918店と708店舗増加しました。

 以上の通り、国内コンビニエンスストア事業の加盟店からの収入が増加したこと、成城石井事業やエンタテインメント関連事業などが好調に推移したことなどに加え、海外の店舗数が増加したことなどにより、連結チェーン全店売上高は2兆5,069億円(前年比+3.4%)、連結営業総収入は7,302億円(同+4.2%)と、それぞれ前年を上回りました。

連結業績への子会社の貢献が増大

 利益面では、ローソン単体では、低収益店舗の整理効果に加え、加盟店での廃棄ロス削減、本部でのコスト削減に取り組みましたが、加盟店支援の関連費用やストアコンピュータの刷新などのITコストが増加し、営業利益は447億円と前年比9億円の減益でした。

 一方で、連結グループ子会社では、売上が堅調な成城石井事業やエンタテインメント関連事業の収益貢献に加え、金融関連事業でのコスト削減効果などにより、連結営業利益は629億円(前年比+3.6%)と前年比21億円の増益でした。連結経常利益及び当期純利益につきましては、低収益店舗の整理に伴う関連損失の計上などにより、経常利益は563億円と前年比13億円の減益、当期純利益は201億円と前年比54億円の減益でした。

2020年度の業績見通し

 今年度は、新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大し、国内では4月から5月にかけて政府による緊急事態宣言が発令されるなど、国内外の事業環境に大きな影響を及ぼしております。国内コンビニエンスストア事業では、外出自粛や在宅勤務などに伴い、オフィス立地などの店舗の売上高が大きく減少していることなどから、既存店日販前年比は95.2%とし、また新型コロナウイルス感染症の影響に伴う関連費用の発生などもあり、ローソン単体で営業利益は前年比197億円の減益とします。またエンタテインメント関連事業では、イベントの延期/中止に加え、映画の公開延期などにより上期の売上高が大きく減少することが予想され、前年比82億円の減益とし、連結営業利益は350億円(前年比279億円の減益)、連結当期純利益は50億円(前年比151億円の減益)とします。

 2020年度はこれまでにない厳しい事業環境ではありますが、引き続き加盟店の安定した店舗経営を重要課題とし、加盟店利益の向上のための施策に取り組みます。そして「ローソンに今できることは何か」を考え、加盟店と強固に連携し、「マチの暮らしにとって、なくてはならない存在」となることを目指し、事業に取り組んでまいります。

資本コストと財務規律

 当社は、当社に対する収益期待を反映した資本コストの水準を意識し、それを超える収益を創出し、中長期的な企業価値の最大化を目指すべく、資本効率を表す指標のひとつであるROE(自己資本当期純利益率)を重要な経営指標として掲げております。また、持続的な成長を実現すべく、ネットD/Eレシオの維持/改善など、財務規律も遵守の上、資産入替の促進やグループ内の資金効率向上にも取り組んでまいります。

持続的成長を見据えた株主還元

 最後に配当についてですが、2019年度から配当方針を変更し、「連結配当性向」を導入しました。株主重視の姿勢は変わらないものの、持続的な成長のために加盟店支援、加盟店利益の向上に向けた投資を行いつつ、配当性向の範囲内で可能な限り配当を実施するもので、「1株当たり年間150円を下限として、連結配当性向50%を目標とする株主還元」としております。この方針に従い、2019年度の配当金は1株当たり150円としました。2020年度につきましては、前年度と同額の1株当たり年間150円とします。2020年度業績は新型コロナウイルス感染症の影響により減益ですが、配当金につきましては現状の配当方針である1株当たり年間150円を下限とするものです。

 当社は、お客さまに安全・安心な商品を安定的に提供していくことが、グループ理念である「私たちは“みんなと暮らすマチ”を幸せにします。」につながるものと捉え、役職員及び加盟店が一丸となって、コロナ禍の難局を乗り越えていく所存です。

1株当たり年間配当金と配当性向の推移