【ローソンチケット】熱量の高いお客さま以上に熱狂的であれ。ローソンチケットが考える、エンタメの届け方とは
|
当コラムは、グループ社員の皆様に“ローソングループで働く仲間の仕事への想いを知ってもらうことを目的に、ローソングループで働く8人の社員にスポットをあてた企画です。普段顔を合わせることはない、けれど同じグループの仲間たち。彼ら、彼女たちは、普段どのような仕事をどんな想いで取り組んでいるのでしょうか。
今回スポットを当てるのは、エンタメの入り口をつくるローソンチケット。コンサートや演劇・クラシック、スポーツ、イベント・レジャーのみならず、ファンクラブや旅行までジャンルの幅は多岐に渡り、最近ではオンラインでも熱狂できる場所をつくるため新規事業としてライブ配信サービス「ローチケLIVE STREAMING」を立ち上げるなど、様々なチャレンジを続けています。
お話を聞いたのは、ローソンチケットの佐藤綾香(さとう あやか)さん。ローソンチケットならではの「エンタメの届け方」についてお伺いしました。
|
株式会社ローソンエンタテインメント
ライブエンタメグループ 顧客起点推進部 兼 トラベル事業本部 販売促進部 兼ライブ配信推進プロジェクト
佐藤綾香(さとう あやか)
2016年入社。ECサイト、ローチケ有料会員、ローチケ旅行での販促を経験後、昨年より新事業となるライブ配信サービス「ローチケLIVE STREAMING」の立ち上げプロジェクトに参加。
現在は、ローチケ有料会員やローチケ旅行の販促、「ローチケLIVE STREAMING」の運用を担当。
「お客さまの好きを広げるお手伝いをしています」
ー現在のお仕事内容を教えてください。
ローソンチケットの有料会員やローチケ旅行の販促、そして新規事業である「ローチケLIVE STREAMING」運用の3つを担当しています。
ローソンチケットの有料会員には、チケットの当選確率のアップや新作映画やコミックが楽しめる「ローチケHMVプレミアム」と、会員限定のチケット先行販売に申し込みができる「LEncore会員」の2つがあります。
私の仕事は1人でも多くの方に登録していただけるような、そして既存の会員のお客様にはより満足していただけるような販促を行うことです。そのため、チケットの先行販売開始時など、お客様の心が動くタイミングで告知ができるように早い段階から情報をキャッチしたり、お客様に喜んでいただけるようなプレゼントキャンペーンなどの実施に向けて、日々社内に掛け合っています。
また、2つの有料会員があるからこそ、特長を分かりやすくまとめることで、比較してご自身に合ったサービスを選んで登録していただけるような工夫を行っています。
|
ー入社当初は演劇、現在はトラベルと担当ジャンルの幅が広いですが、情報収集はどのようにされていますか?
トラベルは3年前から担当しているのですが、最初はどのような業界なのかまったくわからず、「OTA(インターネット上だけで取引を行う旅行会社)」ってなんだろうと、そこからのスタートでした。
でもエンタメである以上、コンテンツを供給する側にはお客様以上のアンテナの高さや量が求められます。サービスの質に関わるので、知らないままではではダメだと思い猛勉強をしました。本を読んだり、観光産業ニュースをチェックしたり、とにかく業界のトレンドを一通りチェックすることは今でも続けています。あとは、同僚にローソントラベル出身の方が多いので話を聞いたり、最近の購入傾向や顧客層を分析したり。片っ端からやれることを行い、知識を積み上げています。
一方で演劇に関してはもともと自分が好きなジャンルなので、情報収集は自然とできていました。
もちろん劇場に足も運びますし、SNSをチェックしたり、観劇仲間から情報をもらっていました。生の声を聞くことは特に大事にしています。
|
ーお客さまが熱狂するコンテンツだからこそ、販促面で工夫していることはありますか?
音楽ライブや演劇などが好きな方なら共感していただけると思うのですが、チケットを買うときや情報収集をしているときって当日さながらにワクワクしませんか?私はその体験を大事にしたいなって思っているんです。
そのために意識していることは、1つは情報を出すスピードです。新しい情報やお知らせを見た瞬間の高揚感をローソンチケットで感じてほしいので、プレイガイドとして情報をどこよりも早く出すことは大事にしています。あとはローソンチケット利用者の方にはメールマガジンも定期的に送っています。過去に購入されたアーティスト等の新情報を送ったり、「このライブに行っていたってことは、意外とこのジャンルも好きかも…!」と類似コンテンツをまとめて掲載して送ることも。推し(人、場所、食べ物)は多い方が楽しいですから(笑)好きを広げる・深めるきっかけになればいいなと思っています。
|
好きを広げる・深めるで言えば、ローソングループ各社とのコラボもそうですね。
ローソンチケットのプレイガイドとしての強みの1つは、社内にHMVやトラベル、グループ内に映画館やコンビニがあるからこそ、それらの事業を組み合わせた施策ができること。例えば、チケットにHMVで制作したオリジナル限定グッズを付けたり、旅行ツアーと組み合わせたり、Loppi限定グッズが付いた映画前売券をLoppiで販売したり。また、オンラインチケットしかないライブ配信にリアルなチケットをグッズとして付けたりなど、これらもローソンチケットだからできるワクワクの提供のひとつですね。
熱狂する側から、熱狂を届ける側へ
ー佐藤さんは、なぜローソンエンタテインメントへ入社されたのでしょうか。
もともと演劇が好きで、入社前からユーザーとしてローソンチケットを利用していたんです。
そのときに、ローソンチケットは他にはないサービスを実施していたり、社内にHMVという物販のサービスを持っているのも印象的で。他のプレイガイドよりもチャレンジングなサービスをやっている印象を受けて、ここで働きたいなと思うようになりました。
|
実際に入ってみて、想像以上にチャレンジできる環境があることに驚きましたね。
大きい企業なので、経歴や年数を積んだ後でないと、自分がやってみたいことへのチャレンジはできないのかなと思っていたんです。
でも、実際は良い意味でとても自由でフランク。部署をまたいで会話ができたり、チャレンジを口にできる環境があるので、入社直後から思い切りチャレンジさせてもらっています。私もそうですが、社内はエンタメ好きばかりなのでとても刺激的なんです。みんなすごく仕事を楽しんでいますよ。
|
仕事を楽しみながら、熱狂している側でもあるんですよ、わたし(笑)
エンタメに生かされてきた分、今度は自分が楽しい時間を提供する側にまわりたいです。自分だからこそのアイディアで、エンタメの素晴らしさをもっと多くの方に届けたいですね。
仕事として「好きな作品」に関わることへの、楽しさと葛藤
|
ー佐藤さんは、好きを仕事にしていますが、どのような時にやりがいを感じますか?
1番は、自分の好きな作品に関われたときです。ファンという枠を越え、一緒に届ける側として応援できることはとても感慨深く、(もちろんどのジャンルに関しても情熱は変わらずありますが)より気合が入ります。
あとは、やはり良い実績が出たときです。どの案件も、1人でも多くのファンの方にエンタメを届けたい一心でやっているので、売上やWebコンテンツの閲覧数が伸びると「ファンの方々にしっかり届いたんだな」と、とてもやりがいを感じます。SNSなどの口コミもそうですね。やはり皆さん自分の好きなことに関してはSNSでつぶやいてくれるので、自分が担当した案件や作品に関しては欠かさずエゴサーチをして反響をチェックしています。
|
ー好きを仕事にしているからこその大変さもあるのではないでしょうか。
大変なことというか課題に感じていることはたくさんあり、一つは語彙力です。作品やアーティストさんの素晴らしさや現場の臨場感を伝えるときに、熱量をもって届けたいからこそ自分の中にある語彙だけでは上手く表現しきれず、もどかしく思うことが多いです。日々いろいろな記事や本を読み漁り、伝え方や言葉の選び方を勉強しています。
もう一つは、多数の作品やアーティストさんの情報を幅広く追いかけ続けなければならないこと。個人的に趣味で追いかける分には、自分の好きなところだけを切り取って楽しめば良いのですが、もちろん仕事となればそうはいきません。例えば、1つの作品の中でもファンの皆さんは「役者さんや劇団のファン」「原作のファン」「このジャンル全体が好き」など、それぞれの角度からの“好き”をお持ちなので、偏った情報ではなく作品を俯瞰的に見ながら、ファンの方にしっかり刺さるような濃い情報を集めて、自分なりに咀嚼して届けることを大切にしています。
|
あとは、スピード感とWebをはじめとするコンテンツのクオリティとの葛藤ですね。良いコンテンツを最速でお届けするのは大変ですが、会社として腕の見せどころなので毎回必死です...!
こうやって話すと大変なことばかりスラスラでてきちゃいますね(笑)。でも届ける側と受け取る側、双方の気持ちがわかるからこそ生まれる葛藤なのかなと思うので、この感覚は大切にしていきたいなと思います。
チケット購入から、気持ちが高ぶる体験を届けたい。
|
ーいちエンタメファンとして、お仕事をする中で意識していることを教えて下さい。
熱量の高いお客様に届けるには自分も同じだけの熱量が必要だと思うので、上辺だけの知識のままでWebページなどのコンテンツを作らないことや、上司から言われたことだけをやるのではなく、権利元や主催者、制作会社の方などのエンタメを作る側のみなさんが魂を燃やしてつくった作品をどうすれば最大限の形でお客様に届けられるかを、自分なりに咀嚼し、よく考えてからコンテンツを作成することを、入社当時から意識しています。
プライベートで演劇を楽しむとき、情報収集やチケットを買うときからすごくワクワクするんです。その気持を最大限に引き出すことが私たちの仕事なので、お客さま、そしてエンタメを作る側の皆さんの期待を越えるアウトプットを出し続けられるようにこれからも試行錯誤していきたいです。
おうち時間にエンタメの喜びを。たった5人で立ち上げた新サービス。
|
ー佐藤さんが担当した業務について教えてください。
立ち上げ時は、主にサービスを円滑に進めるための資料準備を担当していました。当時はまだライブストリーミングが世の中に浸透していない頃だったため、社内用の運営マニュアルと並行して「どのように登録するのか」「投げ銭の仕組み」など、社内やお客様から上がってくるであろう想定質問を大量に洗い出してFAQにまとめたり、チケットの販売委託を行う際に、主催者様に記入いただく公演の概要書にも「アーカイブは残すか」、「投げ銭やコメントは受け付けるか」など通常の公演とは確認項目が異なるため、一から作成しました。立ち上げからリリースまで3ヶ月間とスピードとの勝負だったこともあり、サービスの立ち上げってこんなにも大変なのかと…(笑)。とにかく毎日必死でした。
ー視聴する一般のお客様へ届ける際に、工夫したところを教えてください。
今でこそ皆さんオンライン視聴に慣れていますが、当時はお客様(視聴者)側も手探り状態だったため「アーティストへの投げ銭ってどうやるの」とか「チケットはローチケのサイトで買ったけど、当日はどこから見られるんだろう」などの疑問点もたくさん出てきました。しかしせっかくのエンタメ、当日ストレスなく公演を楽しむことに集中していただけるように、こまめにアナウンスをしたり、サイトデザインの改善を提案したり、とにかくわかりやすさを意識したサービス作りをしました。
|
また、本来はすべてオンラインで完結するため紙のチケットは必要ないのですが、ライブ気分を盛り上げられたらと思い、グッズとして紙のチケットを用意した公演もありました。
少しでも思い出に残るといいなと営業担当からの提案で用意いただいたものでしたが、配信の当日にSNSを見ているとPCやテレビの画面の前でチケットを手に持った写真がたくさん投稿されていたんです…!
コロナ禍以前も、よく公演会場でチケットを手に持った写真がSNSに上がっていましたが、それがオンラインでも実現し、通常の公演に近い体験をお届けできたことがとても嬉しかったです。
お客様の選択肢を増やすために、自社サービスはつくらない決断。
|
ー配信はどのように行っているのでしょうか
立ち上げ時は、導入までのスピードを重視し、ライブストリーミングサービスの先駆けであるZAIKO社と提携していました。現在はZAIKO社との取り組みに加え、チケット販売のみ自社サイトで行い、配信はさまざまなサービスと連携をしています。
ーなぜ自社の配信サービスを作らず、外部の配信サービスと連携するのでしょうか。
当社にとってのお客様である、公演の主催者様・視聴者様、両方の選択肢を増やすためです。
簡単に説明をするとライブストリーミングは、下記の4者で成り立っています。
①主催者様
②配信サービス
③プレイガイド(配信サービスと同じ場合も有り)
④視聴者様
主催者様は、配信を行うサービスを選ぶことができますが(独占配信or複数サービスで同時配信など)、チケットの販売は、各配信サービス内や連携しているプレイガイドでしか販売することができないので、視聴者様は気になる公演があったとしても、どの配信サービスを使っていて、どのプレイガイドでチケットを買わなければならないのかを調べなければなりません。さらに、チケット購入後、指定された各配信サービス(ZAIKO・U-NEXT・ABEMA等)への登録も個別に必要になります。
そこで私たちがさまざまな配信サービスと連携し、販売することで、主催者様がどの配信サービスを選んだとしても、ローソンチケットでチケットを取り扱うことができますし、視聴者様はローソンチケットでチケットを購入後、複数の選択肢の中から使い慣れた配信サービスでご視聴いただくことができます。
自社サービスをご利用いただくことだけにとらわれず、多くのお客様にストレスなくエンタメを楽しんでいただく。これがローソンチケットにとって、理想の形だと考えています。
ー最後に今後の展望を教えてください。
|
今後、お客様や社会のニーズを考えても、ライブなどのエンタメはオフラインとオンラインのハイブリッド型に変わっていくことが予想されます。会場でも家でも、さらに両方でも楽しめる。そんな公演の形がスタンダードになった時に、すぐに対応できるよう現在サービスのアップデートを進めているところです!
オフライン、オンラインそれぞれの特性を活かし、両立させることでさらなるエンタメの可能性を今後もお届けしていきたいと考えています。