【ローソン銀行】開業から2年半。コンビニグループの銀行である「ローソン銀行」がATMから届ける、新たなサービスのかたち

本コラムは、グループ社員の皆さまに“ローソングループで働く仲間の仕事への想いを知ってもらうことを目的に、ローソングループで働く8人の社員にスポットをあてた企画です。普段顔を合わせることはない、けれど同じグループの仲間たち。彼ら、彼女たちは、普段どのような仕事をどんな想いで取り組んでいるのでしょうか。

ローソン銀行では、リテール事業部兼デジタル金融事業部マネジャーの北美保さんにお話を聞きました。ローソン銀行は「お客さまにいちばん近い銀行」を実現することを目指し、2018年に開業しました。「マチの使える銀行へ」をコンセプトに、日本全国のローソンにATMを展開。24時間、旅先や出張先でも使える銀行として生活に寄り添うだけでなく、海外送金や電子マネーへのチャージなど、様々なサービスと提携し、チャレンジをつづけています。また、支店名に「おにぎり」「パスタ」「カフェ」など、ローソンでおなじみの商品名を採用し、ユニークな取組みとして話題になりました。

今回は、ローソン銀行の開業メンバーである北さんに、コンビニグループの銀行である「ローソン銀行」の特徴を、現在のお仕事内容と合わせてお聞きしました。 

株式会社ローソン銀行 リテール事業部兼デジタル金融事業部マネジャー
北美保(きた みほ)
2018年株式会社ローソン銀行に入社。リテール事業部にてローソン社との売上入金・クルー給与振込などの業務を経験した後、現在は海外送金事業者とのATM連携など新サービスの企画推進を担当。SDGsプロジェクト2期メンバー。

お客さまとのメイン接点は「ATM」

ー北さんは、ローソン銀行の開業メンバーだとお聞きしました。

ローソンが銀行を開業するとニュースで知ったのは、ちょうどインターネット銀行からの転職活動をしている頃でした。銀行の開業に携われるなんて滅多にないチャンスですし、貴重な経験が出来るのではと思いすぐに志願しました。あと、開業メンバーってなんかかっこいいなって…(笑)

ー他行での業務経験がある北さんから見た、ローソン銀行の特徴を教えて下さい。

私が担当しているリテール事業(個人や個人事業主が対象の事業・サービス)の視点から見ると、ローソン銀行の一番の特徴は「ATM」がお客さまとのメイン接点であることです。

メガバンクや地方銀行など多くの銀行では、自行の口座をお持ちの方がお客さまであり、そのお客さまに対して様々なサービスや商品を展開するのに対し、ローソン銀行の場合、お客さまの幅が広く、内訳をみると自行の口座を持っている方はほんの一部。口座は持っていないけどローソン銀行のクレジットカードを持っている方や、口座は他行だけどATMはローソン銀行を使う方、ローソン銀行のATMと提携している地方銀行さんもお客さまなのです。

あとはコンビニ内にATMが設置されていることですね。銀行のATMは夜になると人気(ひとけ)がなく暗いところが多いので、お金を取り扱うだけに少し怖さを感じる方も少なくありません。ローソン銀行のATMはコンビニ内にあるので明るく、常に店舗スタッフがいるので安心感があるとお声をいただくことが多いです。

ーその特徴を活かしたサービスや商品もあるのでしょうか。

ATMを利用するとクーポンがでてきたり、最近だと、”銀行口座から直接“でも”ATMで現金“でもau PAYにチャージできたり、PayPayにも”ATMで現金“でチャージができるようにもなりました。
ATMが現金を下ろすだけの場所ではなくなっていっているんですよね。だからこそ、様々なジャンルの事業者さんや銀行さんを繋いでいけるようなサービスができたらなと思っています。そうすればお客さまの暮らしももっと便利になるし、ローソン銀行の価値も高まるんじゃないかなと。

ーお客さまの幅が広く、ATMがメインの接点だからこその難しさはありますか。

やはり、お客さまの顔が見えにくいところですね。対面がないどころか、お客さまの声を聞く接点がなかなかないので、ひたすら仮説を立てて試してデータをとってと、試行錯誤しながら進めています。

日本にいる海外の方に「知ってもらい、使ってもらう」

ー現在のお仕事内容を教えて下さい。

リテール事業部にて、海外送金事業者さまとのATM連携など新サービスの企画推進を担当しています。日本にお住まいの外国の方向けに“ローソンのATMで海外に送金できるカードが使えますよ”と広めるべく、これまでもさまざまな企画を行ってきました。

ーその企画とは。

まずはサービスに親近感をもっていただこうと、ローソン銀行からPRするのではなく提携している海外送金事業者さまにPR協力をお願いしました。

こちらで“ローソン銀行ATMで海外送金するとプレミアムロールケーキがもらえます!”などのキャンペーンを用意し、それを海外送金事業さまのfacebookなどを通じ告知いただいています。日本に在住の海外の方からもプレミアムロールケーキやマチカフェは人気なのでご好評いただいており、サービス自体の認知も少しずつ広まり利用者さまも増えています。他にも、各国の民族衣装を着用しその国の言語で紹介するプロモーション動画も用意しました。こちらも提携している海外送金事業者さまに出演をお願いし10カ国ほど制作しました。このように様々なチャレンジができるのは、ローソン銀行ならではだと思っています。


すべての企画の根幹は、わかりやすさ

ーどのような企画を担当されているのでしょうか。

基本的には、ローソン銀行のATMを利用してくださるお客さまへ向けた企画を担当しています。
ATMチャネル(ATMから生まれるお客さまとの接点)に魅力を感じてくださった企業さまからアプローチをいただきコラボ企画を考えることもありますし、ローソン銀行としての独自サービス・商品の企画を担当することもあります。

ー企画する際に気をつけていることを教えて下さい。

どのような企画でも、重要視しているのは「わかりやすいこと」です。
ローソン銀行のお客さまは年齢も国籍も幅広く、そしてATMがコンビニに設置されているからこそ、一般的な銀行窓口のように私たち行員が直接コミュニケーションをとることができません。

だからこそ、お客さまに直感的に伝わる内容や仕組みづくりが求められますし、直接ご案内せずともお客さまに寄り添える方法をいつも試行錯誤しています。

ー前回、日本にお住まいの外国の方向けサービスのPRについて「まずは親近感をもっていただこうと、ローソン銀行からPRするのではなく提携している海外送金事業者さまにPR協力をお願いした」とお伺いしました。

そうですね。サービス対象者が外国の方なので、ローソン銀行が一方的にPRするよりもお客さまと同じように日本で働く外国の方からPRいただく方が、わかりすく、届きやすいのではないかと。実際にそのプロモーションをみて利用につながったケースは多く、おかげさまで好評をいただいております。

基本だからこそ、ついやった“つもり”に。

ー「わかりやすい」企画はどのように生まれるのでしょうか。

私が大事にしていることは、自分の携わる商品に興味を持ち、商品にとことん向き合いメリット・デメリット、そして商品・サービスを取り巻く環境を知り尽くすことです。

知ることは伝えることの第一歩。なぜなら知って初めて自分なりに咀嚼することができ、それが「わかりやすい」企画の基礎となり、深みになるからです。

改めて言葉にすると「サービスはわかりやすく」「商品のことを知り尽くす」なんて至極シンプルで当たり前のことですよね(笑)でも、だからこそつい取りこぼしてしまう部分でもあると思うんです。忙しいと、つい知った“つもり”、わかりやすくしている“つもり”になってしまいがちなので、しっかりと意識し、丁寧に向き合うように心がけています。

ー北さんの考える、良い企画とは。

やはり1番は、お客さまに親切に寄り添えているかどうかですかね。もちろん「わかりやすさ」も寄り添い方のうちのひとつです。
もちろんビジネスなので収益やブランドイメージが上がることも大事ですが、お客さまにとって親切なサービスであれば時間はかかれど回り回っていつかは返ってくると思うんです。私が所属しているリテール事業部は、ビジネスを推進する部署でもあるので、歩みを止めて満足するようなことはしたくないと思っています。これからも常にチャレンジングな企画をつくっていきたいですね。


育児と仕事をこなす「カオス」な毎日

ー北さんはリテール事業部兼デジタル金融事業部マネジャーをされながら、育児もされていると聞きました。

3歳になる息子がいるのですが、もう本当に毎日カオスですよ!
朝保育園に送って、仕事に行って、夕方には保育園のお迎え、帰宅したら座る間もなくご飯作って食べさせて、お風呂にいれて、一緒に絵本読んで、寝かしつけと一緒に私も寝ちゃって…………。毎日戦争です(笑)

ーすごい...!その中で仕事と育児を両立されているんですね。

実際は全然そんなことなくて。本当にどちらも中途半端だなあと思ってばかりです。
例えば仕事でやるべきことがあっても、時間になったら途中でも切り上げてお迎えに行かなくてはいけないし、お迎えにいけば今度は自分の子どもが最後の一人でお迎えが遅くなった時に先生にご迷惑をかけてしまうし、そんな日ばかりなので、つい「うまくいかないな」「中途半端だな」と思うこともあります。…..でも今やれる範囲でバランスをとりベストを尽くすしかないので!そういう意味では、周りのみなさんの協力には感謝してもしきれないですね。

正直なところ自分で育児をする前は、同僚に「今日は子どもが熱出したので帰ります」と言われた時に「OKです!あとはやっておきますね!」と100%の気持ちで快く言えていたかというと、そうじゃない時もたぶんあったと思うんです。だからこそ今自分がその立場になってみて、同僚が快く引き受けてくれたり、仕方ないと助けてくださる状況には感謝感謝の毎日ですね。業務的にもメンタル的にもとても助けられています。 

ー会社の子育ての制度は利用されていますか? 

フレックス制度と、在宅ワーク制度を利用しています。
これらの制度ができてからは、例えば子どもが急に熱をだしたから1時間だけ抜けさせてもらってその分他の日に1時間使って働く、なんてこともできるようになったのでとても恩恵は感じていますね。

制度もそうですが、結局は職場の雰囲気ですね。繰り返しになりますが、まだ皆が仕事をしている中で、自分だけ先に帰るのはやはり心苦しいものです。その中で嫌な顔ひとつせずに当たり前のように「おつかれさまです!」と送り出してもらえる社風と環境がなによりありがたいです。

ー育児と仕事のバランスはどのようにとっていますか。

母親としての自分だけでなく、社会人としての自分がいることで、うまくバランスをとっている感覚はありますね。

実は、産後3ヶ月で転職活動と保育園探しをはじめて、5ヶ月目からはもうローソン銀行で働いています。転職活動中は、会社の面接では「保育園は決まっていますか?」と聞かれ、保育園の面接では「仕事は決まっていますか?」と聞かれ、同時に探しているのにどうしろっちゅうねん!とは思いましたが(笑)まずは託児所に預けてから就職し、それから保育園も合格しなんとか無事スタートをきることができました。

「そんな産後すぐに預けて働くなんで子どもがかわいそう」なんて外からの声も聞こえなかったわけではありませんが、本当にそうなのかなと。何が正解かなんてわからないじゃないですか。だったら、親として自分が信じる方に進めばいいわけで。家で育児だけに向き合うことに向いていないなと思ったことも大きいですが、なによりいきいき働いている姿を息子にも見てもらえたらなと思っています。

それでも、子育ては理屈が通じない分、この3年は結構しんどかったですね。
朝の急いでいる時に限って、朝、納豆とかヨーグルトをひっくり返されて絶望したことは一度や二度ではありません(笑)

これまで夢中になって目の前のことに向き合ってきましたが、こうして振り返ってみるとやはり積み重ねてきた感じはありますね。今ある環境に感謝しながら自分なりのバランスで、息子に誇れるような前向きな仕事を続けていきたいです。

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