SPECIAL

PROJECT STORY

NL GREEN SMOOTHIE BIRTH REPORT PROJECT STORY

ジューススタンドの
美味しさを手軽に!
「NLグリーンスムージー」
開発

健康のために摂りたいけれど味が……。そう思われ敬遠されがちな緑の葉野菜を、リンゴやキウイを加えて飲みやすくし、フレッシュなスムージーに仕立たてたローソンオリジナルの『NL(ナチュラルローソン)グリーンスムージー』。2015年5月に発売すると、SNSで「おいしい!」と評判が広がり、チルド飲料でかつてない大ヒット商品になった。NLグリーンスムージーを企画・開発した商品部の平原さやかを通して、多くのお客さまの心をとらえた商品が生まれるまでの裏側を追った。

野菜が苦手な私でも
美味しく飲める。
育休中に知った
グリーンスムージーに感激

様々な経験を積んでいまや商品担当としてベテランの域にある平原さやかだが、現在もコンビニや百貨店、専門店などの売り場を見るのが好きで、現場感を忘れないよう仕事と関係なくよくお店巡りをしているという。そんな、常に1人の消費者であり続ける平原だからこそ『NLグリーンスムージー』を生み出すことができたといえる。
「2012年から2014年の春まで産休・育休に入っていて、グリーンスムージーに興味を持ったのは休み中でした。周りから出産後の体力回復に野菜を摂ったほうが良いとよく言われたのですが、実は私、野菜が苦手で……。そんなとき街のジューススタンドで何気なくグリーンスムージーを飲んでみたら美味しくて、すごく印象に残ったんです」
ローソンの商品部では担当カテゴリーの入れ替えが頻繁にあるが、平原は最初は近畿商品部でバイヤーを務め、2年後に本社へ移ってベーカリー・デザートのカテゴリーで主にオリジナルデザートを担当していた。ちなみにロングセラーとなっている「もちぷよ」は、この頃に平原が開発に携わった商品である。次にお菓子の担当になり、チョコレートやキャンディのバイイングが主になった。そしてその後に、産休・育休に入ったのである。

「健康」という切り口
で低迷するチルド飲料をテコ入れ

2014年春、産休・育休から戻った平原が担当することになったのがチルド飲料だった。そして平原には重大な使命が与えられる。24ヵ月連続で前年割れを続けるチルド飲料の、抜本的な立て直し。チルド飲料の主力はコーヒー系の商品で、挽きたて淹れたてのカウンターコーヒーの広がりに押され続けていたのである。ローソンオリジナルの『UchiCafe' MyCupDrink』も同じ状況にあり、大胆なテコ入れが必要だった。
「香りや味、コストなど色々な面でカウンターコーヒーの商品力は強く、同じ土俵で勝負してもかなわないのは明らかでした。そこで気づいたのが『健康』という切り口で、育休中に飲んで感激した『グリーンスムージー』でした」
市場調査を進めても健康に関わる商品の伸びは確かで将来性も高い。スムージーの人気も高く家庭で作る人も増えていたが、材料集めなどや後片付けの手間が多く「毎日飲みたいけど続けられない」との声が多いのもわかってきた。
「これまで商品開発に携わってきて、『ありそうでないもの』を提供することが重要だと感じてきました。ジューススタンドまで行かずに、手間をかけて自宅で作らなくても、近所のコンビニで美味しいグリーンスムージーが手に入れば、まさに『ありそうでないもの』ですよね」
しかしグリーンスムージー1つを加えただけで、チルド飲料全体の活性化につなげるのは難しい。グリーンスムージーが棚の中で埋没してしまう可能性のほうが高い。そこで平原が注目したのが「ナチュラルローソン」ブランドの存在だった。

ナチュラルローソンブランドとして
「面」で展開し存在感を高める

「これも育休中の話なのですが、ナチュラルローソンブランドのお菓子が立ち上がったと聞いてお店に見に行ったら、商品とブランドのコンセプトが一致して売り場が映えていたのがとても印象的でした。それを思い出し、チルド飲料もナチュラルローソンブランドで展開すれば良いのではないかと考えました」
従来から展開していたヨーグルト飲料もリニューアルし、チルド飲料の中で「健康」をコンセプトにした「ナチュラルローソン」ブランドを立ち上げ、カウンターコーヒーとの差別化を図る。その象徴的な新商品としてグリーンスムージーを投入する。それが平原の立てた戦略だった。あとは美味しいグリーンスムージーを作るだけ。もちろんこれが簡単にできるはずはなく、平原の試行錯誤は半年以上におよんだ。
「具体的な目標がないことが一番の難しさでした。健康を訴求するなら野菜らしさを出した方が良いとか、やはり飲みやすさが大切だとか、社内や一緒に開発するメーカーの方たちから色々な意見が出てきて、私自身も悩むところがありました。結局、自分がジューススタンドで感激した飲みやすさを優先することにし、味の調整を進めました」
ジューサーで作ったような口当たりや食物繊維感にもこだわり、メーカーと何度も試作を重ねた。キウイなどは果肉を一旦裏ごしし、種をあらためて混ぜ合わせるというこだわりようだ。

より多くのお客さまに届けたい。
その熱意で急ぎの増産を実現

始まりは控え目だった。2015年4月、リニューアルしたヨーグルト飲料3種が、チルド飲料コーナーの一画の「ナチュラルローソン」の棚に並んだ。そして1ヵ月遅れの5月、グリーンスムージーが加わる。
「健康を切り口にしたナチュラルローソンブランドへの注目は高くて、新発売のグリーンスムージーの注文が全店から来たのは嬉しいことでした。ただ、たくさん売れるとは私自身も思っていなかったので、1店舗当たりに並ぶのは3本ほど。最初はこれで満足していたのですが—」
ローソンのグリーンスムージー美味しいと聞いたけど買えない。発売から少し経って、そんな書き込みがSNSで広がり始めた。それに経営陣も敏感に反応し、グリーンスムージーの後押しが決まる。9月中旬からテレビCMを流すことになったのである。嬉しい知らせではあるが、平原は生産体制の拡充を急がなければならない。
「製造に手間がかかる商品なので、そう簡単に増産はできません。メーカーさんとは何度も協議し、予定していた新商品の発売を取りやめてまで製造ラインをグリーンスムージーに回してもらいました。確かに無理をお願いしましたが、メーカーの方もこの商品への思い入れがあり、私たちの熱意を理解して協力をしてくれたのだと思います」
そうして1店舗当たり10本以上/日の供給を実現し、グリーンスムージーは大ヒット商品になった。平原のスマホには1枚の写真が大切に保存されている。『NLグリーンスムージー』を嬉しそうに飲む4歳の愛娘。平原がこだわった飲みやすさは、大人にも子供にも通じるようだ。また日々の習慣にするお客さまも増え、NLグリーンスムージーは紙パックの400gや800gタイプの追加などラインアップを広げている。