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2015年12月17日

カテゴリー: 蓼山 陵さん 「コンビニ探訪社会学」

増え続けるインバウンド消費

 

■ 爆買い 購入場所1位はコンビニ

今年の流行語大賞の候補にもなった「インバウンド」。訪日外国人旅行者のことを指すケースが多い。テレビでも、成田空港に降り立った外国人観光客をインタビューし、追跡取材する番組が人気となっている。アジア系の団体客ばかりが注目されがちだが、日本の伝統文化や祭りに興味を持って訪れる欧米人、フラダンスやヨガなどの講師など実にさまざまな外国人がニッポンに興味を持ち、足を運んでくれているのだ。

 

政府観光局によると、今年1-10月の訪日外国人旅行者は推計1631万人で、過去最高を更新した。この数字は、昨年通期の1341万人をすでに大きく上回っている。ちなみに国別では one 中国428万人 two 韓国322万人 three 台湾311万人 four 香港123万人 five 米国85万人となっている。10月は、カナダ、ドイツがそれぞれ単月として過去最高を更新、ロシアを除く17市場が10月として過去最高となった。今年の累計では、中国を筆頭に台湾、インドネシア、フランスなど11市場が昨年の年間合計を超えた。まさに世界中から旅行者が押し寄せているのだ。

 

「円安基調が続いているうえ、消費税免税制度が拡充されたことによる買い物需要の高まり、ビザの免除や要件緩和、航空路線の拡大など好条件が重なった結果です。10月までの数字でみると、訪日旅行者数(1631万人)が、出国日本人数(1351万人)を300万人近く上回る状況となっているのです」(経済ジャーナリスト)

 

 

■ インバウンド消費も激増 1-9月で2.6兆円と過去最高を更新

これだけ訪日客が増えると、日本経済へのインパクトも強烈だ。観光庁がまとめた今年1-9月のインバウンド消費額は推計で2兆5967億円となり、過去最高だった昨年通期の2兆278億円を更新した。7-9月の3カ月だけで1兆9億円と、四半期で初めて1兆円を突破。膨らみ続けている。国、地域別では one 中国4660億円 two 台湾1389億円 three 香港800億円 four 韓国799億円 five 米国452億円と、上位5カ国で全体の8割を占めた。個人消費が冴えないなか、インバウンド消費は小売り業界にとってまさに特需である。

 

興味深いのは、インバウンド消費の内情。「訪日外国人消費動向調査報告書」(観光庁)の「土産品の購入実態」をみると興味深い実態が浮かび上がってくる。

 

まず、購入率が高い品物。上位は one 菓子類 63.9% two その他食料品・飲料・酒・たばこ 58.2% three 医薬品・健康グッズ、トイレタリー 49.4% four 化粧品・香水 44.5% five 服(和服以外)・かばん・靴 42.1%と続く。

次いで、消費税免税手続きをした人の割合は、全体の47.6%とほぼ半数に達している。国別では one 香港 68.6% two 中国 68.2% three 台湾 64.4%と、アジア3国が突出している。買い物にシビアなのである。 

それでは、彼らが土産物をどこで買っているのか。購入場所別にみると one コンビニ 63.6% two 空港の免税店 63.0% three 百貨店・デパート 61.7% four ドラッグストア 59.8% five スーパー 53.6%などとなっている。空港の免税店や、百貨店を抑えてコンビニがトップに躍り出ているのだ。

 

 

■ まだまだ拡大するインバウンド消費に、いかに対応していくか

2020年の東京五輪に向けて今後、インフラ整備が進み、さまざまな集客キャンペーンが繰り広げられる。その結果、訪日外国人旅行者、インバウンド消費ともにまだまだ拡大していくのは確実とみられている。

「中国、韓国、台湾、香港といった上位国はもちろん、他のアジア地域からの旅行者がさらに増えていくと思われます。前年に比べるとベトナム、フィリピン、インドネシア、シンガポール、タイなどの伸び率が高まり、10月の旅行者数は過去最高を記録しているだけに、今後の伸びが期待できます。アジア以外では、好調な米国、カナダ、英国などのほか、やミラノ国際博覧会で日本館が注目されたことで、イタリアでの日本人気の高まりに注目したいですね。アジア系だけなく欧米からの旅行者も増えるだけに、受け入れ側の対応も幅の広さが求められます」(前出の経済ジャーナリスト)

 

アジア系の旅行者のニーズと欧米系の旅行者のニーズは、大きく異なる。アジア系のニーズをみると「菓子類」や「食料品」、「医薬品」など生活関連商品が大きなウエイトを占めているが、米国旅行者は、食料関連以外では、「和服・民芸品」や「書籍・絵葉書・CD・DVD」「マンガ・アニメ・キャラクター関連商品」など日本の文化に関心を抱いている傾向がみてとれる。

外国人旅行者の購入場所トップとなっているコンビニが、今後、どんな品ぞろえ、サービスで彼らのニーズに応えていくのか。インバウンド消費の多いコンビニ店舗の力量が試されることになりそうだ。

 

 

蓼山 陵