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2015年11月 3日

カテゴリー: 蓼山 陵さん 「コンビニ探訪社会学」

「諸行無常」 変化、消滅の繰り返しとコンビニ

コンビニが世の中に登場してから40年が経ち、コンビニ業界も随分と様変わりした。店舗形態、取扱商品、サービス内容、他業種との提携…。最近も、大手コンビニが地方に展開する中堅コンビニを買収するとの報道があったばかりだが、さらに準大手の動向がどうなるかも関心を集めている。一方で、大手各社は駅ナカへの進出を加速している。日々刻々と変わる世の中の動き、流れに対応していくには、コンビニ自身の変化と進化、イノベーションが欠かせないということだろう。

利用客のライフスタイルも大きく変化した。その最たる要因はPC、タブレット、スマホに代表される情報通信機器の普及ではないか。

 

昔話をさせていただく。筆者がメディアの世界に飛び込んだ30数年前、オフィスや役所にコピー機がまだなかった。閲覧した資料をすべてノートに書き写していたものである。ファックスもなかった。取材先から公衆電話で原稿を読み上げて送稿した。やがてコピー機、ファックスが普及。ワープロ(ワードプロセッサー)が登場したときは、画期的だった。自分が書いた原稿が活字でプリントアウトされると、それだけで原稿がうまくなったような気がしたものである。

電話は? ケータイの登場はまだまだ。その前にポケットベルがあった。大した用もないのに、デスクから呼び出され、恨めしい存在だった。若者たちは恋愛に活用していたようだが。

そしてパソコンが普及し、携帯電話の時代がやって来る。インターネットの登場は、大げさにいえばグーテンベルク以来の大発明だった。居ながらにして世界中とつながり、あらゆる情報を入手できる。その利便性に感動する一方、「絶対に犯罪に悪用される」という確信を抱いたのも事実である。その後、スマホ、タブレットの普及で、1億総情報発信者の時代に入り、今日に至っている。

 

 

■ ネット社会の進行で激変したライフスタイル

この10年、20年の間に進んだ高度情報通信社会の中で、常に、そのメリットとデメリットが議論されてきた。人々の生活面での利便性が飛躍的に高まったことは確かだ。ネット社会の中で、日々の買い物からレジャー、健康・医療管理、株取引、日常ビジネスにいたるまで、情報通信機器なしの生活はあり得ない状況になっている。政治の世界もオンライン型になってきた。やがて選挙もネットで、という時代になるのだろうか。

 

その一方で、ネット社会の闇といえる現象が日常化し、犯罪に巻き込まれる被害者があとを絶たない。弱者や少数派を排除する風潮もはびこっている。

 

当然、企業社会も激変。たとえば、紙をベースに情報を売り物にしてきた既存の新聞社、出版社。電車の中で新聞や雑誌を読むサラリーマンの姿が見られなくなって久しい。老若男女、手にしているのはスマホである。宅配、駅売り、定期購読、書店販売といった古典的な手法が通用しなくなり、WEB版、電子書籍などへの移行期の中で、各社は新たなビジネスモデルを模索中だ。その間に淘汰は確実に進んでいく。

人々はスマホに代表される情報通信機器を生活やビジネスの武器、ツールにした一方で、そのツールにさいなまれる日々を過ごすという厄介な時代になっている。

 

 

■ 小さな変化に対応しながら、情報弱者に目配りしたサービスを

こうした時代の流れに、もっとも敏感な業種の一つがコンビニに代表される小売り・サービス業だろう。少子高齢化、女性の社会進出、そしてネット社会の進行という時代の中で、各社ともにネットを通じた宅配サービスなどを強化し、利用客の利便性向上を図っている。社会のインフラとして、さらなるサービス拡大に努めていただきたいものである。

 

今後のサービス拡充の上でカギとなるのは、情報弱者への目配りだと思う。情報化社会の進行に伴い、ツールを使いこなすことで、ふんだんに情報を入手し活用できる「情報強者」と、スマホもPCも苦手というお年寄りなど「情報弱者」の格差は広がるばかりだ。

店舗に行きたくても行けない、重い荷物を持てない。そうした人々にとって最近のネット宅配サービスは実に重宝である。働く女性、単身赴任のサラリーマンなど、今後、需要はますます高まっていくと思う。それだけに、誰もが簡単に注文できるシステム、商品選びの多様性、梱包の仕方など、改善できる点はどんどん改善していってほしい。

 

知人の母親は80歳で独り暮らしである。ネットはもちろん使えない。足が不自由で買い物にも行けない。1時間ほど離れた場所に住む50代の娘が、母親の代わりに食品などを選んで注文し、宅配してもらっている。ある時、缶詰が届いたので開けようとしたが、指先に力が入らなくて開けられなかったという。切り口で手を切る心配もある。もっと簡単に安全に開けられるような商品の共同開発はできないか。これはほんの一例である。

 

世の中は日々、小さな変化が起きている。ある日、気が付いたら、とてつもなく大きな変化になっているかもしれない。わずかな変化を見逃さず、機敏に対応したところが利用客に支持されることになるのだろう。

 

 

 

蓼山 陵