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2015年8月31日

カテゴリー: 蓼山 陵さん 「コンビニ探訪社会学」

廃棄食品のリサイクル率を高めて「循環型フード社会」構築へ

■ 70年前の食卓 その苛酷な実態を知る

今年は太平洋戦争(第2次世界大戦)の終戦70年にあたる。そうした中で安保法案の採決、今後の参院審議をめぐり全国各地で反対運動が起きている。「戦争」の匂い、予感といったものに、国民が敏感になっているのだろう。

東京新聞の戦争を語り継ぐ「伝言」という不定期連載の「配給削減 迫る飢餓」という記事(7月23日付)に目が留まった。朝食後に読んだだけに、なおさら食について考えさせられた。

 

敗色濃厚となった1945年7月3日、政府は主食(米)の配給を一人一日あたり2合3勺(330グラム)から2合1勺(約300グラム)にすることを決めた。約10%の大幅削減である。その当時の食糧事情をさまざまな人に取材し、体験談を伝えた記事である。米2合といえば、ご飯茶わんで大盛り4杯。炭水化物の摂取量が減っている現代人からすれば、米がこれだけあれば、と思うかもしれない。

しかし、おかずが乏しいのである。当時、肉や魚も配給だったが、実施されることはほとんどなかった。農家の働き手が戦地に行ってしまったこともあり、米だけでなくあらゆる農作物が絶対的に不足していた。わずかな野菜がおかずだった。

白米が配給されていたうちはまだいい。そのうちコメに大豆やコーリャン(トウモロコシの一種)が混ざるようになっていった。その結果、当時の食卓に上ったものは、今ではとても想像もつかないような食事ばかりとなった。東京新聞の記事によると、当時の国民は、米ぬかと小麦粉を混ぜて蒸した「ぬか団子」、芋がゆ、麦飯の弁当、ジャガイモやサツマイモの雑炊、コーリャンの餅といったものを食べていたというのである。

そうした証言の中に「すいとん」の記述を見かけた。これだけは筆者も食べた記憶がある。小学生のころだから40数年前のこと。味噌仕立ての汁の中に、小麦粉を練った塊がごぼうや鶏肉などと入った料理だ。月に1度ぐらい食卓に出ただろうか。もちもちとした食感が記憶のかなたにある。もっとも、これとて戦時中の代用食としての「すいとん」とは大違い。当時は具材も出汁もなく、小麦粉の代わりに大豆粉やぬかが使われたというから、筆者が食べた「すいとん」は恵まれていた。

 

 

■ 大量の食品廃棄が出る現代社会

時代の針を現代に戻そう。いろいろと問題を抱える社会になっているが、食料に関しては恵まれた状況が続いている。安心、安全の問題はあるが、人々は食糧難とは程遠い環境の中で暮らしている。

問題は、「飽食」と「無駄」である。外食、食品工場、小売り・流通などさまざまな「食」の場面で大量の食べ残しや食品廃棄物が発生している現状だ。農林水産省の「食品廃棄物等の年間発生量及び食品循環資源の再生利用等実施率について」によると、年間の食品廃棄物の発生量は1927万トン(2013年度)にも達する。内訳は食品製造業がもっとも多く約1594万トン。外食産業約188万トン、飲食店約141万トン、食品小売業124万トン、などとなっている。

 

一方で、近年は食品循環資源としての再利用や無駄の発生抑制の意識も高まってきている。再生利用等実施率は、食品産業全体で85%(同)。食品製造業が95%と最も高く、食品小売業45%、外食産業25%、飲食店24%となっている。

「川上の製造現場では、加工食品などを作った直後に出た野菜くずなどをすぐに回収して肥料にリサイクルするといったシステムがつくりやすい。地方のあるメーカーでは毎日出る野菜くずなどを回収して自社のプラントで完熟たい肥にするシステムを構築しています。川下に行くにしたがって事業体が零細化していくこともあってリサイクルが機能しづらくなってきているのでしょう」(ジャーナリスト)

その結果、食品小売業と外食産業、飲食店あわせた453万トンの廃棄物のうち、300万トン以上がリサイクルされず、無駄な廃棄物となっているのだ。

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■ 廃棄物削減に取り組むコンビニ業界

食料廃棄物の問題はコンビニ業界にとっても大きな課題だ。お弁当、おにぎり、惣菜など毎日、大量の食品を扱う全国のコンビニ店舗から発生する食品ロスをいかに減少するか。循環型資源としての再利用率をどれだけ高められるか。

 

ローソンの取り組みをみてみよう。2014年度の食品廃棄物は1店舗1日あたり10kg(食品リサイクル実施店舗約2,400店の実績)となっている。内訳は売れ残り食品が7.9kg、ファストフードの調理に使った食用油(廃油)が2.1kg。これら食品廃棄物の削減のため、「生産加工管理システム」を導入して発生抑制に取り組む一方、リサイクルも強化している。

廃油のリサイクルは2015年3月末現在、グループ計11059店舗で実施。リサイクル工場で飼料用添加剤(家畜のエサの材料)、公共バスの燃料(バイオディーゼル燃料)や無添加石けんなどに再生されている。余剰食品のリサイクルは、2015年3月末現在、グループ計2475店舗で実施。販売許容期間を過ぎた弁当などは、飼料(主に豚のエサ)や肥料としてリサイクルされている。

富山県(5市町村)では、店舗から出た余剰食品をリサイクル会社で発酵させてバイオガスと発酵液を作り、バイオガスは発電に使われ、発酵液は剪定した枝をチップにしたものと混合され肥料になっている。

 

また、千葉県、茨城県の約260店では、リサイクル飼料を一部使用して育った鶏の卵の販売を2012年6月から始めた。店舗の余剰食品をリサイクルした飼料や肥料で育った農畜産物を店舗で再度利用、販売するシステムで「食品リサイクルループ」と呼ばれる。まさに食の循環である。

 

こうした食の循環につながる動きをもっと活性化させ、実施店舗を広げていく。それが環境面への貢献ということになる。無駄を排除した「循環型フード社会の構築」に向け、ぜひ、取り組みを強化してほしいものである。

 

 

 

蓼山 陵