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2015年7月24日

カテゴリー: 蓼山 陵さん 「コンビニ探訪社会学」

地方自治体とコンビニと若者 三者のタッグが必要

■ 「とり天柚子マヨおにぎり」発売の大きな意義

ローソンのサイトでニュースリリースを見ていたら、こんなニュースを見つけた。

 【大分】県産の柚子・かぼすが香る「とり天柚子マヨおにぎり」発売

  toritenmayo

いいなあ。先月、仕事で大分を訪れ、とり天を味わってきたばかりなので、思わず反応してしまった。とり天は、大分県の郷土料理で鶏肉の天ぷらである。特産品のかぼすポン酢をかけて食べるとさっぱりしておいしい。最近は、大分県畜産試験場が烏骨鶏を交配した「おおいた冠地どり」を誕生させるなど、鶏にはこだわりのある土地である。

今回ローソンが発売した「とり天柚子マヨおにぎり」は、大分県立日田高等技術専門校(日田市)の生徒が考案したもの。1個139円(税込価格)で、九州地区のローソン店舗で6月30日から4週間の期間限定発売だという。大分県産の柚子・かぼすを混ぜ込んだご飯の中に、県産の柚子こしょう・かぼすを混ぜたマヨネーズで味付けた「とり天」を入れた郷土色豊かなおにぎりである。九州限定発売かぁ。残念!

いったい、どういう経緯で誕生したのか。そこには、意外に深い背景があった。

 

「大分県とローソンは2007年に包括連携協定を締結し、青少年の育成や地産地消の推進など、地域の活性化に向けた活動をしています。その一環として、大分県と共同で『次世代応援地産地消商品開発コンテスト』を開催しています。今回発売される『とり天柚子マヨおにぎり』は、昨年のコンテストにおいて、大分県立日田高等技術専門校の生徒さんが考案し、米飯部門の最優秀作品に選ばれたメニューです」(ニュースリリースより)。

 

地域活性化に向け、ローソンと自治体がタッグを組み、そこに学生がチャレンジした結果、大分県らしい商品として日の目を浴びることになったのである。

 

 

■ 全国で展開している「地産地消」「地産外消」の取り組み

調べてみたら、大分と同じような事案がいくつも出てきた。

 

宮城県では、県主催の「高校生地産地消お弁当コンテスト」(平成26年度)で入賞した気仙沼西高校の2名の生徒が考案した「西高発!刻み揚げと生姜の酢飯弁当」(税込価格450円)を今年2月18日から3月2日まで、宮城県内の店舗で期間限定発売した。刻んだ油揚げと生姜を混ぜて白醤油で味付けた炊き込みごはんを酢飯にし、鮭のたたき身・チーズ・宮城県産玉ねぎ・仙台味噌を合わせたフィッシュボール、三陸産わかめを混ぜたオムレツ、宮城県産小松菜・豚肉・もやしのからしマヨネーズ和え、ママレードを使用して甘めに仕上げた人参サラダ、和風スパゲッティを盛り付けた、ご当地の海の幸と野菜をふんだんに使った弁当だ。

やるなあ! 地元の食材をいかに活用するか。そのアイデアと手間ひまに脱帽である。

 

もう一例、ご紹介しよう。今度はスイーツである。広島県立広島大学人間科学部・健康学科の学生たちとローソンが共同開発した「瀬戸田レモンのチーズケーキ」(税込価格170円)。

クッキー生地の上に広島県産瀬戸田レモン果汁を入れたチーズクリームをのせて焼き上げたベイクドレアチーズケーキで、トッピングに瀬戸田レモンのピール(皮)の蜜漬けがのっている。この商品は今年1月20日から10万食の数量限定で、中四国地区で発売された。

「地産地消」であると同時に、広島県外でも発売されたので「地産外消」にもなった形だ。

こちらも先の大分県同様、広島県とローソンが2012年に「包括的連携に関する協定」を締結し、地域活性化に向けた活動の一環として行われたものである。

 

 

■ 若者を取り込むことで未来につながる地方創生に

ローソングループは、全国各地の51の自治体(45道府県、6市)と包括協定を締結して地元産品を活かした「地産地消」、「地産外消」の取り組みを進めている。地域ならではの食文化の紹介による観光振興や、県産品の販売拡大を通じた地域経済の活性化を図ろうというものである。「郷土(ふるさと)のうまい!」シリーズで全国展開された商品も多い。

注目したいのは、一連の取り組みに若者が参画している点だ。「地産地消」「地産外消」といったところで、地元の既存業者が加わるだけでは新味がない。その点、高校生や大学生といった若者たちが、プロにはない柔軟な発想でメニューなりグッズを考案するのは面白い。既存の商品とかけ離れた斬新な商品が生まれる可能性があるからだ。「刻んだ油揚げと生姜を混ぜて白醤油で味付けた炊き込みごはんを酢飯にする」なんて、そうそう思い浮かばないアイデアではないか。

 

自治体やコンビニは、若い人たちに「考える」チャンスを与え、商品化という「夢の実現」をサポートする。地方創生と叫ぶのは簡単だが、こうした地道な取り組みの継続こそが重要だ。できれば、地域限定販売で終わらせずに、好評だった商品については東京や大阪といった大都市圏でも販売してもらいたい。地域の味、良さをより多くの人々に楽しんでもらえると同時に、若者たちにさらに大きな夢を与えることになるからだ。

若者が頑張れる環境をつくらなければ、「地方創生」なんてお題目だけで終わってしまう。せっかく、自治体と手を携えて地域の活性化に向けた地道な取り組みを行っているのだから、次のステップとして若者たちが定住する、あるいはUターンしてくるような魅力ある地域づくりの一手を考えていってほしいものである。

 

 

 

蓼山 陵