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2015年5月18日

カテゴリー: 蓼山 陵さん 「コンビニ探訪社会学」

シニアを応援するコンビニに期待

■ 超高齢化社会の現実と政策ビジョンが見えない近未来

このコラムで「超高齢化社会」をテーマに何回も原稿を書いてきた。それだけ切実な課題だからである。

10年後の2025年。日本社会の総人口は1億2066万人(国立社会保障・人口問題研究所の推測)。このうち65歳以上の高齢者人口の割合は30.3%と初めて3割を超す。2014年は25.9%だったから、「4人に1人」から「3人に1人」が高齢者の社会となるわけだ。25年には、総人口に占めるボリュームゾーンが大きい団塊世代が75歳以上の後期高齢者となる。

このため、2010年には、現役世代(15~64歳)5.8人に1人が75歳以上1人を支えていたが、10年後の2025年には3.3人が1人を支える「超高齢化社会」を迎えるのだ。

 

そうした中、独居老人の比率が年々高まり、孤独死、認知症、介護、年金問題、空き家問題など、様々な社会問題が深刻化してきている。こうした問題は一朝一夕には解決しない。本来なら政治や行政の出番である。しかし、残念ながら、大きな期待は抱けない。4月に全国各地で地方選挙が行われたが、投票率は過去最低だった。筆者の居住地でも市議会選挙が行われたが、選挙カーで回ってくる候補者は名前の連呼だけ。いつまでこんな安易で稚拙な選挙活動を行っているのか。これでは若者が投票所に足を運ばなくなるのも無理はない。選挙公報を読んでも、多くは当たり障りのない文言が並ぶだけで、危機感、改革の意欲といったものが伝わってこない。高齢化社会への打開策につながるような画期的で具体的な政策はどこにも見当たらなかった。推薦者のコーナーばかりが目立つ候補者もいた。そうした人々が政治家になったところで、いったい何ができるのだろうかと思ってしまう。

「超高齢化社会」となる10年後、読者のみなさんの周囲がどうなっているか。政治や行政まかせにはできないテーマである。みんなで想像力を働かせ、知恵を絞らなくてはいけない時期にきていると思う。

 

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■ 「介護コンビニ」の充実した商品構成と相談窓口の存在感

そうした中、埼玉県川口市に介護拠点を併設したコンビニがオープンした。ローソンと介護サービス会社のウイズネットが提携して実現にこぎつけたものだ。この夏には、さいたま市内に2号店をオープンする予定だという。

今回オープンしたのは「ローソン川口末広三丁目店」。通常の店舗とどう違うのか。最大の特徴は、ケアマネージャーや相談員が午前8時30分から午後5時30分まで常駐する居宅介護支援事業所(相談窓口)が併設されている点だ。

家族の介護が必要な人向けに、日常の介護ケアや要介護申請のアドバイスを受けられる。老人ホームの紹介も行っている。筆者の家族も経験したが、要介護申請は結構面倒くさいし、手間もかかる。「要介護という現実を受け入れるのにやっと」という状況の中で、煩雑な申請が待っているのだ。介護が必要になりそうな高齢者を抱える家族は、早めに相談しておいた方がいい。そんなサービスをコンビニで受けられるのだから、これはありがたい。

サロンの存在もニーズに合っている。介護予防運動や自治体、地域のサークル・イベント情報を提供するスペースだ。要介護運動のDVDが流れ、血圧計も常備されている。シニアの方が集い、情報交換する場所として有効活用できそうだ。

 

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売り場の商品は通常の店舗に比べ500種類ほど多い約4000種類。うち介護関連商品は、約70品。整腸剤や入れ歯洗浄剤、経口補水液、消臭剤、紙おむつ、補聴器、補聴器用の電池などシニア層の日常生活に欠かせない商品群となっている。お弁当や総菜は「ユニバーサルデザインフード」が充実している。かみやすさ、食べやすさにこだわり、硬さや粘度を工夫した食品だ。少量サイズ、個包装などシニア向けの配慮が感じられる。

ローソンは店舗開設に先立ち、地元の60~70代のシニア約300人にアンケートを実施した。実際の声を反映した取り組みとなっているのだ。

 

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■ 介護支援からシニアの就労支援まで幅広いサービス

こうしたケア拠点併設型店舗をローソンは2017年度末までに30店舗の出店を目指しているという。地域に密着した事業者との連携が必要となるモデルだが、積極的に展開していって欲しいものである。

シニア向けサービスは介護だけではない。元気な高齢者には労働が生きがいという人も少なくない。そんなニーズにどう応えていくか。ヒントになるのが、横浜市が進めている「生きがい就労支援スポット」というモデル事業だ。同市は昨年12月、高齢者の心身の状況に合わせた就労や地域活動などを紹介し、社会参加を促していく相談窓口「生きがい就労支援スポット」を金沢区でモデル開設した。開設以来、350人以上のシニアの相談に対応しているという。

その横浜市とローソンが連携した。市の「生きがい就労支援スポット」でローソンの子会社であるローソンスタッフ株式会社が実施している「ローソンスタッフ登録説明会」を開催するというものだ。登録説明会への参加申し込みに年齢制限はなく、登録したシニアは勤務する店舗の紹介・あっせん、コンビニ勤務に向けた研修を受講することができる。

 

「介護コンビニ」にしろ「就労支援」にしろ、まさに時代のニーズにマッチした取り組みだと思う。当面は試行錯誤だろう。成果が出るのは後でいい。シニアとその家族にとって必要なサービスをいかに広げていくか。ローソンの事業は始まったばかり。新たなインフラ整備に着実に取り組んでいって欲しいものである。

 

蓼山 陵