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2015年5月 1日

カテゴリー: 蓼山 陵さん 「コンビニ探訪社会学」

社会に新たな価値と多様性をもたらす「ダイバーシティ推進」

■ 「女性の活用」は数値目標だけではない

ダイバーシティ経営が注目されている。いろんな定義付けがあるだろうが、「多様性を尊重しながら従業員の能力を活かし、企業を成長させていく経営」といったところだろうか。

その要素の1つが「女性の力」である。女性の活用が叫ばれて久しい。いまの内閣も「活かしきれていない我が国最大の潜在能力」としての「女性の力」を最大限発揮できる環境整備を重点項目に掲げている。

そうしたなか、すぐに出てくる議論が女性の管理職の割合である。政府は「2020年までに30%」という目標を打ち立てている。たしかに、日本の現状は先進各国に比べあまりに低い。世界12カ国を対象とした内閣府の調査(2011年)によると、管理職に占める女性の割合は、日本は11.9%だった。上位はフィリピン52.7%、米国43%、フランス38.7%、英国35.7%などとなっている。この数値を5年後に約3倍に引き上げようというわけである。

そのためには、出産、育児対策をはじめ女性が活躍できる環境を整備し、そのための施策に官民が一体になって取り組むことが最重要である。ただ、いたずらに数値目標ばかりを追いかけても仕方がない。「管理職になる」ということだけが、活躍の場とは限らないからだ。専門的な能力を身に付けた女性(女性に限らないが)が、その能力をフルに発揮できる環境を整え、本人の希望に沿った働き方を選択できるようにすることの方がはるかに重要だと思う。管理職というのは、その先についてくることであり、管理職を希望しない女性(男性)だっているのである。

「30%という数値目標にしばられて、民間に達成率を求めるようなやり方は、逆に現場の混乱を招くだけです。そうではなく、女性が働きたいと思えるような職場環境、就業システムなどソフト面を充実させていくことが大事ではないか。一方で、待機児童の解消に向けた保育施設の拡充、介護システムの柔軟化と拡充といった行政が行うべきハード対策も欠かせない。女性の活用とは、量ではなく質の問題が問われています」(経済ジャーナリスト)

成長戦略=数値目標という単線化思考に陥ってはならないと思う。

 

nyushasiki

 

■ グローバル化でますます進む外国人採用

外国人社員の採用、幹部登用もダイバーシティ経営の大きな柱となっている。30数年前、筆者が新入社員だった頃は、大手商社などを除けば外国人社員という概念すらほとんどなかった。外国人の活躍といえば、プロ野球ぐらいだったように思う。それが、どうだろう。今では都心のオフィスはもちろん、地方の中小企業の生産現場にまで外国人の姿を見かけるようになった。コンビニも例外ではない。店頭で流暢な日本語でサービスにあたっている従業員の方の胸のプレートを見ると、アジア系の人が実に多くなった。

先日、TVでちょっといじわるな実演を行っていた。客を装った番組スタッフが、日本人でもあまり知らないタバコの銘柄を注文。するとアジア系の店員さんは何の躊躇もなくその銘柄を取り出し、客の前に差し出したのである。宅配便の手続きも同様。割れモノを依頼したところ、採寸からシール張り、伝票処理までてきぱきと処理を行っていた。言葉の壁を乗り越え、日本人従業員と同じレベルで仕事をこなしていく外国人従業員の姿に感動したものである。

日本で働きたい、日本の技術、サービスを身につけたい、そういう希望を持った外国人従業員を積極的に採用し、経営に活かしていく。それは当人の成長だけでなく周囲の日本人にとっても確実に大きな影響を与えるはずだ。

「育ってきた環境、教育、習慣、文化が違うので、価値判断や考え方が日本人とは異なるケースがいくらでもある。それをお互いが受け入れ、理解しあい、職場やサービスの改善につなげていくことで、新たな企業文化、経営スタイルにつながっていく。日本の贈答文化をとことん研究し、販売で国内トップに立った外国人がいたというケースもあります。周囲はいい刺激になったでしょうね。外国人と日常触れあうことで、海外に赴任した際に相手とのコミュニケーションが円滑にいくメリットもある。また、日本の職場で得たスキルを母国で開花させるといったケースが今後増えてくるでしょう」(前出のジャーナリスト)

外国人労働力の受け入れに対しては一部に根強い反対論がある。しかし、日本企業がどんどん海外に進出し、海外からもいろんな企業がやってきている時代に、排除の論理は通用しない。外国人採用による社内の多様性の広がりは、さまざまな形で実を結ぶはずである。

 

happylawsonhoikuen

 

■ 進化するコンビニとダイバーシティ

さて、コンビニ業界における女性の活用と外国人社員の採用はどうなっているのか。桜が満開の4月1日、多くの若者がコンビニ業界に入って来た。

今年6月に創立40周年を迎えるローソン。玉塚元一社長は新入社員に向け「重要なのは40歳になったローソンがどんな売り場、どんな商品に進化するかをお客様に実感していただくこと」「皆さんに期待しているのは自立型の人間になること」などとメッセージを送った。この訓示を真剣な表情で聞いていた新入社員は全部で118人。4割近い46人が女性で、約4分の1の28人が外国人(国際社員)だった。その中に初のオランダ人社員、クルーガー・カルロさんの姿があった。社会人としての夢について聞かれたカルロさんは、「コンビニがないオランダに出店すること」「ローソンの社長になること」と壮大な構想を語っていた。頼もしいではないか。

 

ローソンは、2005年に新卒採用の目標女性比率を5割に、08年には新卒採用の外国人留学生比率を3割に設定し、多様な人材(人財)の活用を図ってきた。数値目標だけではない。事業内保育施設「ハッピーローソン保育園」の開園、育児時短制度、在宅勤務制度、帯同転勤(配偶者の転勤・居住地変更にあわせた異動)、管理職向けダイバーシティ研修、男性の短期間育児休職制度など、さまざまな支援策を実施することでダイバーシティ推進を図ってきた。

そうした実績が認められ、「女性活躍推進」に優れた上場企業として平成26年度の「なでしこ銘柄」に2年連続で選出された(経済産業省と東京証券取引所が選定)。また経済産業省による「ダイバーシティ経営企業100選」(平成26年度)にもコンビニとして初めて選出されるという、"ダブル受賞"を果たした。

 

真価が問われるのはこれからである。いま、現場で活き活きと働いている女性社員や国際社員が40歳を迎えるローソンをどう進化させていくのか。それはコンビニ業界だけの話ではない。日本の企業、社会全体が多様性を尊重して新たなモデルを構築していく時代になっていると思う。

 

蓼山 陵