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2014年12月17日

カテゴリー: 蓼山 陵さん 「コンビニ探訪社会学」

2018年問題とコンビニ (下)

■ 積極採用が目立つ2015年春の採用計画

前回、18歳人口の減少が加速する2018年問題の課題を提示した。今回は、小売り、コンビニ業界の労働力確保の点から考えてみたい。

2015年春の新卒採用計画(大卒)をみると、人手不足が続く小売りや建設業界などでの積極採用が目につく。上場企業、有力企業1962社を対象とした日本経済新聞の記事(4月20日付)によると、全体では11万1505人と前年比16.6%増で、6年ぶりに10万人を上回った。非製造業は全24業種で14年春の実績を上回っている。中でも、百貨店・スーパー(21.9%)、コンビニなどその他の小売り(22.8%)の伸びが高いという。就職活動全体で見れば、久々の「売り手市場」である。

当然、企業間の採用活動は過熱化し、内定の早期化、囲い込みといった状況が起きる。外資系企業の中には、国内企業の選考スタートが始まる4月1日に、内定者をグルプワークと称して囲い込み、他社の面接に行けないようにしたといったケースもあったようだ。

一人でも優秀な人材を早く確保したい。企業側のホンネがそうした行動に走らせるのだろう。もちろん、企業の採用意欲、行動は景気に左右されるから、消費増税で景気の先行きに不透明感が漂うなか、数年後の状況がどうなっているかは見通せない。

ただ、ハッキリしているのは若年労働力全体のボリュームダウンである。「18歳人口」が減るということは、数年後には大卒者の世代に当たる「22歳人口」も同様に減るからだ。

 

■ 大卒者数も減少傾向になり、質が問われる時代に

2018年問題が新卒採用の現場で顕著化してくるのは、2022年以降ということになるだろうか。そのとき、採用現場でどんなことが起きているのだろう。

まず、大卒者数だが、2012年は55万9030人(文部科学省調査)。これも人口減に比例するのかどうか。みずほ総合研究所の「若年雇用の現状と問題の所在」というレポート(2012年7月)は、「少子化を通じて大学卒業者が減少傾向に入るとみられるのは2020年代以降。その間大学卒業者数はほぼ横ばいであり、供給面からの需給緩和は当面望み薄」と指摘している。このレポートでは、文部科学省の「学校基本調査」をベースに独自の計算を行い、大卒者数の推移を紹介している。それによると2028年には、瞬間的に50万人の大台を割ってしまう。いくら大学全入時代に近づくとはいえ、淘汰される大学も増えるわけで、進学者、卒業者の総数はやはり減少傾向に向かう可能性が高い。

そうなると企業の大卒者の確保は一段と競争がし烈になってくることが予想される。しかも、成長から成熟へと差しかかった企業は、常にイノベーションを求められるから、量だけ確保すればいいというものではない。コンビニ業界がまさにそうだ。単なる人材確保ではなく、ビジネス変化に迅速に対応、適応できる柔軟な発想と行動力をあわせもった人材を呼び込むことができるかどうか。採用そのものが一段と高難度化していくことになる。

 

■ コンビニ業界は柔軟で多彩な人材採用を

新規出店の加速や業態の多様化が進む小売り・流通業界は、いまや店舗を構えて物を売るというビジネスだけでは成り立たない。それは現在のコンビニの姿を見れば一目瞭然だ。ローソンの新卒採用サイトに「社員15人が100秒で語る『ローソンの仕事』と『自分の成長』。」というコーナーがあり、ムービーで社員の姿が映し出される。


jibun
http://www.lawson.co.jp/company/recruit/new/book_3/#movielist

そこには、新規事業推進、商品部ランディング、商品開発、社内情報システム、マーケティング、原材料調達、分析、店舗開発、店舗経営指導、店舗マネジメント、法人営業、EC、海外事業推進、マネジメントコンサルタント、社内広報と15の仕事が紹介されている。1つの店舗が氷山の一角として街中に存在するために、その下に巨大な氷山のようなインフラが隠されているのだ。そして、日々、新たな業態の可能性を追求し続けている。

こうした変貌と進化を常とするする企業にマッチする人材を確保するのは容易ではない。まずは、学生たちに企業の実態と可能性、そして魅力をどう知ってもらうか。会社説明会、採用サイトにおける現場社員のナマの姿の紹介、アルバイト経験、インターンを通じた社内体験、大学の授業への出張講義など、イメージではなく実像をいかに伝えるかがポイントになるだろう。

新卒採用だけでなく、既卒組や第2新卒にも原石がいるかもしれない。門戸は出来るだけ広げ、チャンスの機会を増やすことも重要だ。地方の大学の学生にも目を向けたい。最近は地域おこしを授業の一環として取り入れる地方の大学が出てきている。そういう場で地域再生に触れてきた学生は、何かをつかんだはずだ。女性と外国人に関しては、ローソンは積極的に取り組んできた。発想の柔軟性、多様化が求められるなか、これまでの成果をどう採用に反映させていくか。

超高齢化社会への対応策にもなるシニア採用も課題のひとつである。65歳人口が3200万人を超え、4人に1人が65歳以上の世の中である。ローソンは、加盟店オーナーの契約年齢上限を10月に55歳から65歳に引き上げたが、オーナーだけでなく短時間勤務の店舗スタッフのニーズは確実にあると思う。経験豊富なシニアの活躍の場をもっともっと広げて欲しい。

 

人口減という避けられない減少にどう対応していくか。コンビニ業界の知恵が試されている。

 

蓼山 陵