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2014年12月17日

カテゴリー: 蓼山 陵さん 「コンビニ探訪社会学」

2018年問題とコンビニ (上)

■ 18歳人口が100万人を切る時代がやってくる

11月いま、大学関係者らの間で「2018年問題」が危機感を持って語られている。2018年、いったい何が起きるというのだろうか。カギは若者にある。

少子化の影響で、大学進学を迎える18歳人口の減少が加速すると見られているのが2018年からなのだ。18歳人口とは、3年前の中学校卒業者及び中等教育学校前期課程修了者数(文部科学省)のことで、そのピークは、団塊の世代がその世代になった1966年の249万人(文部科学省「学校基本調査」、以下同)。それが1993年の205万人を最後に、200万人を割り込み今年(2014年)は118万人にまで減少した。このままいくと2030年代には100万人の大台を割り込むとみられている。

「すでに淘汰は始まっています。増えすぎた大学の廃校が現実になってきている。今後、知名度がない、特色・個性がない大学はますます危機に追い込まれていくでしょう。有名私大だって安閑としてはいられません。大学経営にとって受験料は大きな収入源。受験生減少は経営に直撃します。そこであの手この手で受験生を確保しようと躍起なのです。先日話題になったスーパーグローバル大学創成支援への応募もその一環です」(大学問題に詳しいジャーナリスト)

少子化に伴う受験生の減少という事態に、大学は文字通り生き残りをかけた対策を講じているのが現状なのだ。

 

■ 大学の都心回帰と地方の落胆

東京から電車で約1時間半。北関東の人口1万5000人ほどの町に、東京の有名私大が進出してきたのは1990年代のことだった。町のニュータウン、学園都市構想に応じて、複数の学部を移転した。町は用地やインフラ整備などで協力し、大学移転による活性化を期待した。ところが、10年後、突然、撤退構想が浮上。町は大騒ぎとなる。結局、一部の学部のみが東京に移転し、残った学部をさらに拡充するということで落ち着いた。しかし、町民の反応は複雑だ。

「いったい、あの期待感は何だったんだろうね。学部が残ったといっても学生数も少なく活気はない。ニュータウン構想も進んでいません。広い空間ばかりが目立ち、駅に止まる電車の数も降りる人の数も少ない。まあ、学生さんたちにしても遊ぶところもなければバイト先もないから、魅力を感じないのかもしれません。抜本的な対策を考えないと、残った学部もどうなるか・・・」(地元の居住者)

この町の場合、まだ一部が残っただけマシだ。東京近郊の地方都市では、やはり90年代にキャンパスを新設した東京の有名私大が、今年になって全面撤退を決めた。その理由のひとつは受験生が集まらないというものだった。市は大学の進出にあたり多額の補助金を投じた。それが20年余りで完全撤退である。地元の希望は消えた。

こうした事例が首都圏、関西圏など各地で相次いでいる。大学の誘致、進出で地域活性化を図った自治体関係者、地元住民の落胆ぶりはいかばかりだろうか。大学に去られる地方――。「2018年問題」が浮き彫りにしたひとつの象徴的な断面である。

 

■ 18歳人口減少がコンビニに与える影響

「2018年問題」を通して、大学と地方自治体の問題を見てきたが、18歳人口の減少がもたらす影響は広範だ。社会全体に大きな課題を突き付けることになる。一つは若年労働者の減少であり、もう一つは若年マーケットの縮小である。

これは日本企業、経済全体に及ぶテーマであるが、コンビニ業界にとっても喫緊の課題である。

【1】 若年労働者の減少

コンビニの店舗運営にあたって、お客に満足の高いサービスを提供し続けていくうえで、店長だけでなくスタッフ全員のクオリティの高さが求められる。

同時に、全国各地での展開、24時間営業を支えていくためには、アルバイト、パートを含めた要員確保も必要だ。そうした状況で、労働力の担い手となる若者人口が減るということは、常に人手不足に直面することになる。

これは本部にとっても同じである。新卒採用者をめぐる企業間の争奪戦は、今後さらに熾烈になるだろう。日々、変貌していく小売り・流通業界にあって、人材は生命線である。将来の経営の中核を担う若手の優秀な人材をいかに確保し、育成していくか。若者人口の減少が加速する中で、有効な手を考えなければならない。

【2】 若者マーケットの縮小

これも切実な課題である。最近は、中高年客、女性客の集客に向けた商品開発・展開、サービスで、以前ほど若者のシェアは高くなくなっていると思うが、コンビニにとって若者は重要な顧客ターゲット。その絶対数が減り、購買頻度、購買額が落ち込む影響は無視できない。パイが減る若者マーケットにどう対応していくのか。

 

次回は、こうした課題への取り組みについて考えてみたい。(つづく)

 

蓼山 陵