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2014年12月 8日

カテゴリー: 蓼山 陵さん 「コンビニ探訪社会学」

アマゾンとの協業で広がるeコマース活用チャンス

■ ローソンの店頭で数千万点のアマゾン商品の注文・受取りが可能に

11月4日。連休明けの午前中にもかかわらず、都内のホテルの宴会場に100人を超す報道陣が集まった。アマゾンとローソンの協業についての記者会見が開かれたのである。最大手のオンラインストアと全国に1万2000近い店舗を展開する大手コンビニのコラボとあり、その発表内容に注目が集まった。

会見には玉塚元一ローソン社長、ジャスパー・チャン アマゾンジャパン社長、野辺一也ローソン執行役員ホームコンビニエンス事業本部長が出席した。

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左:玉塚元一ローソン社長、中:ジャスパー・チャン アマゾンジャパン社長
右:野辺一也ローソン執行役員ホームコンビニエンス事業本部長

この日、発表された取り組み内容は、数千万点にも及ぶアマゾンの豊富な商品をローソンのマルチメディア端末Loppi(ロッピー)を通じて注文し、店頭で受け取るサービスだ。第1弾として、11月5日から静岡県全域の199店舗でサービスを開始。その状況を踏まえたうえで、来年度全国への拡大を検討するという。

Loppi取り寄せサービスの流れはこうだ。

 

【注文】
[1]店内の入り口付近や日用品売り場に置かれたQR付カードを選ぶ。
[2]Loppiにカードをかざす。
[3]希望商品を選び画面をタッチする。
[4]Loppiに設置の電話にてオペレーターと直接会話して注文する。
  (Loppi登録商品を一覧から探す方法もある)

 

【店頭受取り】
[1]アマゾンからお客にPOSレジ直接受取り用のバーコードが配信。
[2]お客が持ってきた受取り用バーコードをスタッフがPOSレジでスキャン。
[3]商品の受け渡し完了。

 

受取りに当たっては従来通り、Loppiを操作する方法もあるが、今回のシステム導入で、受取時間は57%(2分25秒)削減され、1分50秒で済む。

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■ どんな顧客にどんなメリットが生まれるのか

ローソンが今回のサービスを開始することにした背景には、社会状況・環境の大きな変化がある。このコラムでも何回も取り上げてきた高齢化の進行や、総世帯数の増加、女性の社会進出、買い物難民の増加、そしてスマホ普及によるeコマース市場の拡大。従来の店舗展開中心のビジネスモデルでは対応しきれなくなった顧客層へのサービスといっていいだろう。

わが家の娘は自宅から都心のオフィスに通勤しているが、本を始め美容関連グッズ、雑貨などをアマゾンに注文することが多い。配送先は自宅である。たいていは母親が、母親が不在のときには自宅で仕事中の筆者が受け取ることになる。これが一人暮らしのワーキング・ウーマンだったらどうだろう。平日の日中は受け取り不可能だから、わざわざ休日を指定しなくてはならない。受け取りのためだけに、休日の外出を控えるというのは不便極まりない。自宅での受け取りが困難な一人暮らしや共働き世帯の客にとって、勤務先からの帰りにコンビニの店舗で商品を受け取れるのはありがたいサービスだ。

パソコンや端末の操作が苦手、歩行が不自由といった高齢者はどうなるのか。ローソンは2008年からアマゾン商品の店舗での受取サービスを行ってきた。その注文は顧客がネットを通じて行うものだった。今回はパソコンやスマホがなくてもLoppiを通じて注文できるのだが、Loppiの操作もハードルが高いという高齢者は少なくない。歩行が不自由な方は、店舗に行くことさえ億劫だ。

そこにも目配りがあった。御用聞きサービスの拡充だ。タブレット端末を持ったスタッフが高齢者の自宅を訪問し、ECサイトを表示して注文をサポートする。後日、店舗に届いた商品をスタッフが顧客のもとに宅配するというものだ。2015年度から実験を開始するとしている。

単身者にとっても、働く女性にとっても、高齢者にとってもショッピングの幅が確実に広がるサービスといえるだろう。

 

■ リアル店舗とネットビジネスの融合 その可能性と課題

ローソンは店舗を拠点としたオープンプラットフォーム戦略の強化で、顧客の様々なリクエストに対応し、グループ全体でEC流通取扱高を2013年度の1200億円から2017年度には5000億円にする目標を掲げている。

玉塚社長は会見の場で今後の可能性についてこう語った。
「お客様のニーズはあります。店頭での受け渡しはこの5年間で確実に増えてきている」「夕夜間は店舗にとって重要な時間帯。アマゾン商品の注文は、その時間帯の来店動機になる」。

そして、このリアル店舗とeコマースの融合であるオープンプラットフォーム戦略を「大きな柱としてやっていこうと思う」と強調していた。

今後はアマゾンだけでなく顧客の支持が高いさまざまな企業と連携し、サービスの充実化を図るというが、いくつかの課題もみえてくる。

1つは店舗で注文してから、商品を受け取るまでの期間である。現時点では注文後、約2日から5日後(注文時間・商品により異なる)に注文した店舗で受取り可能となっている。これをどれだけ短縮できるのか。

Loppiの設置台数も店舗によっては問題になる。実際にLoppidで商品を選ぶにあたり、一人のお客がどれだけ時間をかけるのか。とくに「商品一覧」から選ぶとなると、そう簡単には決められない客もいるはずだ。時間帯によっては 順番待ちの列ができてしまう可能性があるのではないか。

御用聞きサービスでは、スタッフの人員確保が可能かどうか。店舗スタッフがあたるのか、該当エリアに専門のスタッフを揃えるのか。顧客の希望する時間帯に常に訪問できるのか。

こうした問題は、第1弾の静岡でのサービスを通じて様々なデータを集め改善していくことになるだろう。

個人的には、かつてこのコラムで紹介した米国のオーガニックスーパーで取り扱っている人気商品をはじめ、国内でなかなか手に入りにくい商品を扱ってもらえるようになるとありがたいなあと思う。

この先、試行錯誤を重ねていくなかで、顧客のニーズにマッチしたサービスになっていくことを期待したい。

 

蓼山 陵