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2014年10月29日

カテゴリー: 蓼山 陵さん 「コンビニ探訪社会学」

超高齢化・介護社会とコンビニ(上)

 

2025年、団塊世代が後期高齢者になり、3.3人が1人を支える社会に

 8月中旬、新聞に「ローソンが『介護コンビニ』」という見出しが躍った。介護が必要な高齢者を支援するコンビニのサービスの展開を2015年から始めるというものだ。日本が高齢化社会から超高齢化社会に進もうとしている中で、介護は切実な社会問題。「マチの健康ステーション」を標榜するローソンならではの取り組みだ。
 
 現代社会のキーワードの一つが「超高齢化社会」。これに関して、最近は「2025年問題」が取り上げられるようになった。11年後の2025年には、戦後社会を引っ張ってきた「団塊世代」が75歳以上の後期高齢者になる。1947年~49年(広くは51年)生まれの「団塊世代」は、約700万人(同1000万人超)と、総人口に占めるボリュームゾーンが大きい。社会を支えてきたこの世代が、一転して社会保障給付を受ける側になるわけで、その影響は大きいというより、深刻だ。


 本コラムでは超高齢化社会について何回も言及してきたが、あらためて数字でその実像に迫ってみたい。2025年の総人口(国立社会保障・人口問題研究所の推測)は1億2066万人。このうち65歳以上の高齢者人口の割合(高齢化率)が30.3%と初めて3割を超す。75歳以上だけでも2179万人(総人口の約18%)に達する。2010年には1407万人(同約11%)だったから、その急増ぶりは歴然だ。そうなると負担は現役世代(15~64歳)に降りかかってくる。2010年には現役世代5.8人が75歳以上1人を支える構造だったのが、2025年には3.3人が1人を支える社会となるのだ。

 ちなみに、ここに少子化が加わることから、日本の総人口は2050年には9708万人と1億人を割り込み、65歳以上人口は3768万人、高齢化率は38.8%まで上昇する。2060年には39.9%と、4割が高齢者という超高齢化社会になってしまう(この時点での総人口は8674万人)。

 

 

家族に重い負担を強いる介護の実態

 問題は、高齢化社会の進行に伴って、医療や介護のリスクと負担が高まることだ。2025年における国民医療費(厚労省保健局の将来見通し)は52兆3000億円。このうち75歳以上の医療費が24兆3000億円と46%にも達する。2008年は国民医療費が34兆8000億円、75歳以上の医療費が11兆4000億円で33%だったから、その負担増は顕著だ。

 一方、介護はというと、介護予防サービス、介護サービスの年間受給者数(厚労省調査)は2010年度の492万8000人が2013年度には566万人に増加している。年代別の人口に占める受給者の割合は、65~69歳では女性2.0%、男性2.5%であるが、75~79歳になると女性11.8%、男性9.0%、80~84歳になると女性27.2%、男性17.7%と跳ね上がっていく。やはり、75歳が分岐点となっていることが分かる。


 もう少し、介護の実態をみてみよう。実際に、介護にあたっているのはどんな人が多いのか。厚労省の「国民生活基礎調査」(2010年)によると、同居している家族が介護者となっているケースが64.1%を占める。内訳は配偶者25.7%、子20.9%、子の配偶者15.2%、父母0.3%。それ以外では、別居の家族など9.8%、事業者13.3%などとなっている。家族が担当しているケースが大半だ。

 このうち、要介護者と同居している介護者の年齢をみると、男性では64.9%、女性では61.0%がなんと60歳以上となっている。介護者が70歳以上のケースは男性の40.2%、女性の29.7%にも達する。まさに「老老介護」の現実が浮かび上がってくる。年老いた夫や妻の介護をみている高齢者がそれだけ多いということだろう。

 さらに、こんなデータもある。総務省の「就業構造基本調査」(2012年)によると、2007年10月から2012年9月までの5年間に、「介護・看護のために離職した人」は48万7000人、このうち女性が38万9000人で約8割を占める。2010年から2011年にかけての1年間は8万4200人だったが、2011年から2012年にかけては10万1100人に増えているのが気がかりだ。

 

 

■ コンビニはどんなサービスを提供するのか

 こうした極めて厳しい介護の実態は、だれの周りにも存在する身近な問題だ。筆者の周りにも、「妻が車いす生活になり、家を改築してバリアフリーにした」という70代の男性、「独り暮らしの80歳の母親の介護を兄弟(姉と弟)が交代で介護している」という50代の女性、「90歳の母親を民間の施設に入れて介護してもらうことにした」という60代女性など、さまざまなケースがある。みな、介護の話題になると疲れた表情になる。

 本来なら、国や自治体などの行政サービスが行えばいいのだろうが、社会保障・福祉の制度や設備、人員が現実に追いついていないのが実情。社会保障コストが今後ますますかさむ中で、家族への負担は増えこそすれ、減ることはないだろう。

 そうした中で、介護分野への参画を打ち出したローソンは、一体どんなサービスを提供するのだろうか。報道によると、首都圏の介護事業会社と提携し、同社がローソンの加盟店となり店を運営する。日中はケアマネージャーが常駐し、生活支援のアドバイスをしたり、介護に必要なサービスや施設の紹介、あっせんを行うほか、店内にサロンのようなスペースを設けて、健康維持に必要な運動の機会も提供するという。

 具体的なサービス内容の発表がないだけに、どんな形の「介護コンビニ」が誕生するのかは未知数だが、介護で心身共にヘトヘトになっている家族らの負担を軽減できるようなサービスを考案し、実施してほしいものである。

 

蓼山 陵