ローソン広報 Smile Blog ~ほっとな情報でみんなの毎日を元気に~

※記事中の価格表記は記事掲載時の税込価格となっております。2014年4月1日以降は、新税率8%に基づく税込価格となります。

2014年4月28日

カテゴリー: 蓼山 陵さん 「コンビニ探訪社会学」

次世代コンビニ成功、進化のカギは加盟店との双方向関係強化

~本部からの指導だけでなく、現場からの提案をどう活かすか~

 

■ ローソン玉塚新社長が掲げた5つの経営方針

  春。満開の桜の下をフレッシャーズが緊張した表情で歩いている。今年も新しいビジネスシーズンが始まった。コンビニ業界でも大きな動きがあった。ローソンが経営体制を一新。12年間リーダーとして引っ張ってきた新浪剛史CEOが会長に、玉塚元一COOが新社長となる人事が3月24日の取締役会で決議された(就任は5月1日)。今後は玉塚新社長のリーダーシップの下で、次世代コンビニへの進化を目指すことになる。

 その玉塚氏は3月24日に都内で開かれた会見で5つの経営方針を明らかにした。

[1]ローソンの企業理念に忠実に則り、全社員との完全共有を徹底する
[2]加盟店との信頼関係を強化し、共に成長し、発展する
[3]小商圏における製造小売企業として世界一になる
[4]強い"規律"と個々人の"自立"の双方を徹底追求する
[5]100人の次世代経営者、リーダーを育成する

 玉塚氏は、この経営方針を貫くことで、4年後の2018年2月期には連結営業利益1,000億円、自己資本比率(ROE)20%を目標とすると表明した。

 注目したいのは2番目に掲げた「加盟店との関係強化」である。リーダーや本部の経営力、商品開発力がいかにしっかりしていようが、現場である加盟店の運営能力が伴わなければ、コンビニ業界の成長は期待できないからだ。それだけにリーダーや本部と加盟店との信頼関係は強固でなければならない。興味深かったのは、新浪氏が玉塚氏を後継に決めた理由だ。会見で新浪氏はこう語った。

「(玉塚氏は)加盟店オーナーから絶大な信頼を得ている。何かあったら玉塚に!となっているほど。コンビニはオーナーとの信頼関係がビジネスの大源泉です。(玉塚氏は)加盟店を引っ張っていくことができる。これは重要だと判断したわけです」

 玉塚新体制の基盤を支え、ローソンの成長、進化の源になるのは、何といっても加盟店オーナーとの強固な信頼関係の構築ということなのである。

DSC02799

 

■ 毎年秋のオーナーズミーティングには1万5000人が参加

 一口に加盟店オーナーといっても、そのタイプは千差万別である。脱サラしてコンビニの世界に飛び込んできた人、家業の酒屋やタバコ屋からの転身組、あるいは法人組織として複数の店舗を運営する企業家など。考え方も規模も異なるオーナーたちと、いかにして経営方針、方向性の共有化を図り、現場の声を汲み取るか。本部のマネジメントは重大だ。

 では、加盟店オーナーとの関係強化のためにコンビニ本部はいったいどんなことを行っているのか。ローソンでは次のようなイベントやプログラムを実践している。

[1] ローソンセミナー
    全社の方針、方向性の共有を目的に、毎年春、全国8会場で12日間開催。トップ以下、経営陣が戦略を詳しく説明する。1万店、約2万人が参加。
[2] オーナーズミーティング
    毎年秋に全国11会場で13日間開催。1万店、約1万5000人が参加。双方向の意見交換の場となっている。
[3] エリア会
    北海道から九州・沖縄まで全国8支社のエリア内で、毎月268会場で開催。オーナー同士がサクセス体験を共有する場となっている。


 こうしたイベント的な取り組みとは別に、本部からは各店舗に対してPontaカードから分析した「自店Pontaデータ」を配信。商圏のポテンシャルや客のニーズ、ライバル店の強み、弱点などを伝え、現場での店舗運営に活かしている。

 2010年からはローソン独自の取り組みとしてマネジメントオーナー(MO)制度を実施。多店舗経営の体制構築をめざす制度で、厳しい認定基準の下で選ばれた約100人のMOが、ストアコンサルタント(SC)への指導、育成を行っている。

 この春の戦略説明会でスピーチを行った36歳のMOは、自身がMOになっての感想を「全店一律でなく、加盟店が自ら考えて行動できる。(本部は)加盟店の意見を取り入れ、改善する」と語り、「(ローソンは)自由な風土のあるチェーン」と評価していた。

 MOは年1回、本部の経営陣も集まる1泊2日の「MO総会」に参加し、経営陣と意見を交わしたり、商品試食会に出て評価を下すなど、経営参加を実践している。その結果、「厚焼きパンケーキ」「カリパン」のようにMOの意見を取り入れた商品が発売されるといったケースが現実に起きている。

 このようにあらゆるアプローチの仕方で、加盟店オーナーとの関係強化に努めているのだ。全国に1万2000店近い店舗を展開するローソンにとって、加盟店オーナーとの信頼関係強化は、まさに生命線といってもいい。だからこそ、玉塚新社長もその点を強調しているのである。

 

■ 新たな挑戦、進化に向けての課題

 少子高齢化の進行、単身世帯の増加、ワーキングウーマンの増加など社会構造が大きく変化していく中で、小売業界も日々、変化を求められている。コンビニ業界も同じである。ローソンは健康志向にシフトし、生鮮強化、売り場面積拡大の次世代型コンビニの拡充に乗り出した。この大きな変化に加盟店オーナーも対応していかなければならない。従来のやり方では通用しない場面も出てくるし、新たなオペレーションが次々と要求されるようになるだろう。

 本部と加盟店オーナーとの関係そのものが進化した形に構築されなければならないということだ。先の戦略説明会でMOの方は本部への要望、課題として「指導員のレベルアップ」「加盟店オペレーションを十分考えた新サービスの導入と定着」を指摘していた。店舗形態が大きく変容を遂げていく中で、この2点はまさに緊急のテーマである。

 さらに見過ごすことのできない課題がある。誕生から40年近くたったコンビニ業界においては、加盟店オーナーの高齢化問題にも直面している。日常のオペレーションに加え、データ分析、在庫管理など高齢化したオーナーの負担は大丈夫か。後継者問題はどうするのか。本部はきめ細かな対応が迫られる。

 今後、次世代コンビニが成長、進化するためには加盟店オーナーのレベルアップや協力がますます重大となる。災害時における地域防災インフラとしての使命を果たすためにも、オーナーたちの力は欠かせない。明快な経営方針の下、本部とオーナーの双方向の密な情報交換、頻繁な交流が次世代コンビニ進化のカギとなることは間違いない。

 

 

蓼山 陵