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2014年4月 4日

カテゴリー: 蓼山 陵さん 「コンビニ探訪社会学」

次世代コンビニに求められるものは何か (3)

「健康強化」と「地域密着」をキーワードにした店舗展開を
~さらなる利便性の上に幸福感の追求を目指したい~

 

■ 高齢化社会が進むからこそヘルシーライフの「ほっとステーション」に

 世の中はミニバブルの様相を示し始めている。アベノミクスや2020年の東京五輪開催決定を受け、首都圏をはじめ3大都市圏の公示地価は住宅地、商業地ともに6年ぶりに上昇した。消費税増税を前にマンションや大型テレビなどの駆け込み需要が続き、建設現場では人手不足が深刻だ。大手企業ではベアアップも実現。このまま順調にいけば景気が上向き人々の暮らし向きも良くなるかのようだ。

 しかし、楽観は禁物。社会構造の大きな変化は、過去の景気循環論が通用するような常識が通用しないと見た方がいい。その最たる要因が「少子高齢化」だ。2025年には65歳以上の人口が3657万人(全人口の30・3%)となる(厚労省データ)。こんなデータもある。

 2012年には65歳以上の人ひとりを20~64歳の人2・4人が支える社会だったが、2050年には支え手は1・2人に減ってしまう。一方で、少子化に歯止めがかからない。2013年の子ども人口は1649万人で32年連続の減少となった(総務省データ)。このままいくと2030年には06年に比べ労働力人口が1070万人減少するといった試算もある。10年後、15年後の日本社会の現実を考えれば、目の前のミニバブルに浮かれている場合でないのは明らか。熟した果実は一握りの人々に配分されるだけに終わりかねない。医療費、年金、財政はどうなってしまうのか。暗澹たる気分になってしまう。

 前置きが長くなってしまった。こうした状況を把握したうえで、次世代コンビニに求められるものを考えてみたい。まず、浮かんでくるキーワードは「健康」だろう。人生の価値はさまざまだが、根底にあるのは心と体の健康である。健康でさえあれば高齢であっても、経済的に苦しくても明日に向けた活力がわく。コンビニはそのベースづくりに貢献してほしい。

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 ローソンは、いち早く「マチの健康ステーション」という店舗コンセプトを打ち出し、昨年5月、大衆薬の販売、TV電話を使った薬剤師への24時間健康相談、生鮮野菜強化などを打ち出した店舗を都内にオープンさせ、今後の道しるべを示した。この店に大きなヒントがある。健康=未病という発想の下、さまざまなサービスを考えてみた(一部は実施中のものもある)。

<1>健康食材の拡充 中嶋農法で栽培した野菜、果物など青果類に加え、動脈硬化や心筋梗塞など生活習慣病を抑えるといわれる不飽和脂肪酸(DHA、EPA)を多く含む青魚の加工品など生鮮類のさらなる強化。低糖質、低カロリー食品の拡充。
<2>健康コーナー 大衆薬の販売コーナーに血圧測定、血糖値測定、体組成計などを常備。測定結果に基づき、気になる健康情報を調べプリントアウトできる端末の設置。
<3>健康関連グッズ 健康関連雑誌、病院ガイド、効能別温泉ガイドなど健康関連情報コーナーの 拡充。歩行計、なわとび、ウオーキングシューズなど健康関連商品の販売。ハーブ類など天然素材を使った石鹸、入浴剤、トドマツ、ラベンダーなどのループス プレーといった癒し系商品の拡充。
<4>健康セミナー 定期的に管理栄養士や提携医療機関の医師を招いたセミナーを開催。

 

 現状の関係法規との関係もあり、どこまで可能かは判断つかない部分もあるが、要は病気にならない、健康を維持するという考え方の下で、一方的な販売、サービス提供ではなく利用客のニーズに応え、より満足度の高いサービスの提供にしていくことが必要だろう。

 

■ さらなる地域密着化の必要性

 今後の高齢化社会の進展の中で、気になるのが単独世帯の増加である。厚労省のデータによると「世帯主が65歳以上の単独世帯や夫婦のみの世帯」は、2010年の20%から2025年には25・7%、2035年には28%へと増加が見込まれている。高齢者の孤独死、介護に追われる老夫婦…。厳しい現実がますます深化していく恐れがある。地域社会における人々の疎遠化が進む中で、コンビニは地域のコミュニティセンターとしての役割を果たす存在になっていく必要があるのではないか。前述の健康面でのサービスに加え、きめの細かな宅配サービス、高齢者世帯の多い団地、老人ホームへの訪問販売なども考えられる。

 店舗を拠点としたサービスは何があるだろうか。たとえば、高齢者の多い住宅地の店舗であれば、店内調理のメニューに煮魚、野菜の炊き合わせなどを取り入れ、出来立てを店舗内の飲食スペースで味わってもらう。そこで客同士が会話を楽しみ、なごみのひと時を過ごす。新鮮な生鮮類をはじめコンビニ食材を使ったオリジナルメニューをお店のスタッフが客の目の前で実際に料理し、新たな食生活の参考にしてもらう。スタッフと客が一体化したサービスである。駐車場のスペースを利用して定期的にマルシェを開催するのも楽しい。

 逆に、人生の先輩である高齢者の方々の知恵をコンビニに反映させるシステムは作れないだろうか。郷土料理、おふくろ料理の作り方、梅干しの漬け方、雑巾の作り方、米ぬかの活用法など、忙しい現代人が忘れてしまった、失ってしまった生活の知恵を伝授してもらうのである。会話、メモなどで収集したノウハウを店舗スタッフがまとめ、冊子にしたりネットに公開したり。双方向のやり取りが可能になれば楽しい。

 次世代のコンビニがこうした交流の拠点となり、店と客、あるいは客同士の接点ができていけば、災害時にも非常時の社会インフラ、拠点としての機能を一段と強く発揮できるのではないか。

 

■ 理想の店舗運営はスタッフの育成がカギ

 コンビニはすでに全国に5万店規模の存在に拡大、成長した。しかも、常に進化を求められる存在である。いかに商品力を強化し、サービスを拡充しようが、それを運営する人材の力が伸びなければ意味がない。コンビニに限ったことではないが、次世代サービスに対応でき、進化させていくだけの人材の育成・強化が最大のカギとなってくる。

 この春開かれたローソンの戦略説明会では「100人の経営者・リーダーを育成する」というテーマで、[1]多様な外部人財登用 [2]新卒採用人財の多様化 [3]高度な教育プログラムといった方針が示された。もちろん、必要なのは本部の人材育成だけではない。加盟店オーナーの店舗運営パワーアップも欠かせない。そのために全社の方針、方向性を共有するセミナーや双方向の意見交換を行うオーナーズミーティングを実施して加盟店オーナーとの関係強化を図っている。その一方で、オーナー同士が参加して成功体験や営業計画を共有するエリア会を全国各地で開催している。本部から店舗までが一体となった人材育成、強化システムを実施中である。

 日々刻々と変わる情勢の中で、いかに生のデータを駆使し、顧客のニーズを把握し、将来のビジョンを打ち出して実践していくか。次世代コンビニのすべてはマンパワーにかかっている。

 

 

蓼山 陵