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2014年4月 2日

カテゴリー: 蓼山 陵さん 「コンビニ探訪社会学」

次世代コンビニに求められるものは何か (2)

小売激変の中、2月にオープンした「ローソンマート」の未来形

 

■ めまぐるしく変化を遂げている小売業界

 小売業界で業態の融合と言えるような現象が起きている。スーパーがコンビニとコラボするケース、コンビニに近づけた小型スーパーの出店、逆に生鮮強化でスーパー型に近づいたコンビニなど、その動きはめまぐるしい。その背景に従来の業態の限界が見えてくる。

 少子高齢化、女性の社会進出、単身者世帯の増加といった社会構造の変化の中で、総合スーパーの売り上げは大きく減少、逆にコンビニは売り上げを伸ばしている。経済産業省の商業販売統計によると2011年の総合スーパーの売上高は約12兆7000億円で10年前に比べ3兆2000億円も減少。一方、コンビニは約8兆7000億円で2兆円の増加となっている。いまや消費者のライフスタイルは、「スーパーからコンビニ」へと向かっている。とはいえ、従来のコンビニだけでは品揃えに満足できない客が多いのも事実。それが最近の新たな融合化の動きにつながっているのは間違いない。

 

■ 西横浜にオープンした進化型コンビニ「ローソンマート」1号店

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 2月中旬、都内のホテルで開かれたある発表会にテレビ、新聞、雑誌など100人以上の報道陣が詰めかけた。決算発表でもなく、CMに出演中のタレントが登場するわけでもないのに、これほど多くのメディアが集まるのは異例のことだ。それはローソンの進化型コンビニ「ローソンマート」展開の発表会だった。

 ローソンマートは05年から展開している生鮮コンビニ「ローソンストア100」の進化型 で、二極化する客のニーズに応えるため、売り場面積を従来の2倍程度に拡大、価格も105円均一商品に加え、幅広い価格の商品を拡充する。ローソンファー ムの青果類や中嶋農法で栽培した野菜、切り身・干物といった水産加工品など生鮮品や、店舗内で作るおかず、惣菜類の商品を強化。店名・ユニフォームも一新 する――といった発表内容だった。ローソンの玉塚元一COOは「スーパーをやろうとは思っていません。街のニーズに対応した進化型のコンビニです」と強調 していた。

 この発表会から3日後の2月20日。相鉄線西横浜駅近くの国道16号線沿いにオレンジの看板が鮮やかなローソンマートの1号店となる西横浜店がオープンした。売り場面積は約252㎡で従来の2倍近い。取扱商品数は約6000品目でこれも従来の3800品目から大幅に拡充された。行列ができた初日の来店者数は約2500人。オープンから1週間時点の平均来店客数は約2000人(1日当たり)となっている。ローソンストアだった前年同月と比べると客数では約5割、販売高は約8割アップしたという。

 店内の様子はどうか。20日から3日間は「OPEN記念セール」が行われ、スーパー並みにチラシも配布された。生鮮では、キャベツ1玉105円(税込)、いちご(大粒約280g)298円、カナダ産豚肉小間切れ(220g)209円、真いわし丸干し4尾248円、明太子、たらこ(各60g)228円などが並ぶ。インスタントラーメン(5袋パック)298円も。農産市も開催され、大根、ほうれん草、パイナップル、サンふじりんごなどが105円で販売されている。店内調理の惣菜も豊富だ。コロッケ、から揚げなどが30円引き。持ち帰りに便利なお惣菜パックもある。

 3月からはATMも導入され、プリペイドカードの利用も可能だ。従来のコンビニの便利なサービスにスーパーに近い品揃えで利用客の生活をさらに簡単、便利にしていこうという店の誕生である。

 


■ 進化型コンビニのニーズと課題

 ローソンは、この進化型コンビニ「ローソンマート」を3月中に静岡、埼玉、愛知の住宅地に3軒出店する。今後2016年度末までに500店舗出店する計画だ。

 西横浜店の現状は、客数、販売高ともに大幅アップで、まずは順調な滑り出しのようだ。注目は来店客の層である。どんな変化がみられたのか。

 「共通ポイントサービスPontaのデータから分析すると、女性のお客さまが増加し、特に30代、40代、60代以上が伸長しています」(ローソン関係者)

 これは当初の狙い通りの結果ではないか。付加価値の高い生鮮類や店内調理の惣菜類などの拡充で、働く女性や高齢女性のハートをつかんだということだろう。駅からの帰り道で、家にもほど近い場所に、こうした進化型コンビニができれば、働く女性は時間を気にせずに買い物をすることができる。鮮度のいい野菜屋水産加工品、温かい惣菜類をそのまま持ち帰り、すぐに食卓に並べられるのは便利このうえない。遠くのスーパーまで歩くのが大変な高齢者にとっても、徒歩圏内に食品の品ぞろえが充実し、ATMやゆうパックのサービスまで備わったコンビニの存在は重宝なはずだ。住宅地の小エリアではこういった進化型コンビニのニーズはますます高まっていくと思う。

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 課題は何か。ひとつは充実させた生鮮類の安定供給だろう。

 「常にフレッシュな野菜、水産加工品などを店舗に並べることがカギとなります。自社農場や契約農家からの仕入れ力を生かすことが重要になる。」(流通担当記者)

 店内調理の惣菜類は、揚げ物メニューが多い。健康志向が高まる中、健康バランスは大丈夫だろうか。

 「医学界で興味深い学会報告があり、魚脂やオリーブオイルの摂取で動脈硬化が減少したという外国の学会報告があります。単に脂を減らせばいいというわけではないという報告が相次いでいるというのです。一方で、低糖質の食生活を心掛けることで血糖値が改善されるという報告もあります。利用客の誤解を解くためにも、最新の健康情報をコンビニが発信して、より安心して利用してもらう環境を作ることが急務でしょう」(前出の記者)

 今後、進化型コンビニが増えていくにつれ、さまざまな課題が出てくるだろう。常にお客の声を汲み上げて、それを仕入れから物流、店舗現場に反映していく。そうした積み重ねが新たな進化につながっていくはずだ。

 

 

蓼山 陵