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2014年3月11日

カテゴリー: 蓼山 陵さん 「コンビニ探訪社会学」

次世代コンビニに求められるものは何か (1)

 

拡大型成長から社会ニーズに対応したクオリティ成長と進化の必要性

 

 

 激化するコンビニ競争と利用者からの視点

 デフレからの脱却に向け進んでいる日本経済。国民にとってもっとも身近な「消費」の現場であるコンビニを取り巻く状況はいったいどうなっているのか。全体像を把握できるデータを検証してみよう。出典は一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会(JFA)の「JFAコンビニエンスストア統計調査月報 2014年1月度」(いずれも全店ベース)。

店舗数 49,481店 前年同月比 5.4%増
店舗売上高 7,549億700万円 同    5.1%増
来店客数 12億2437万人 同    6.7%増
平均客単価 616.6円 同    1.4%減


 これはJFAの正会員であるコンビニ10社全体の数字である。既存店ベースの売上高、平均客単価が微減したほかは、前年同期を上回る実績となっている。このデータからも分かるように、日本列島には5万店のコンビニが展開し、1か月に人口の約10倍の客が訪れているのだ。来店客数のデータを詳しく見ると、全店ベースではなんと34カ月連続、既存店ベースでも3カ月連続のプラスとなっている。しかし、客単価は全店、既存店ともに1%台のマイナス。コンビニの利用頻度は増えたが、財布のヒモはまだまだカタイということか。


 全国に5万店というと過剰問題が指摘されている歯科医療施設(歯医者さん)の6万8000に次ぐ数字である。当然、競争は熾烈で、地域によっては店舗の閉鎖、チェーンの鞍替え、新業態への転換などが起きている。筆者が住むマンション近くでも、この数年で徒歩5分圏内にあった2店が閉鎖し、1店が同じチェーンの別業態に変わった。逆に駅周辺のコンビニは数店舗の増加。その結果、コンビニの利用は駅からの帰り道にある店か、クルマで駐車場のある店へと限定されつつある。住宅地におけるスモールエリアの店舗減少は、サラリーマンやOLには分からないだろうが、遠くまで歩くことが苦手な高齢者や自宅・事務所で仕事をする自営業者など「買い物弱者」には不便な状況になっている。コンビニがコンビニエンスでなくなってしまっているのだ。

 


 劇的な進化を遂げつつある商品とサービス

 熾烈な生き残り競争が続くコンビ業界は、一方で劇的ともいえる進化を遂げつつある。まずは商品力が強化された。野菜、果物を中心とする生鮮類の大幅増加、おにぎり、弁当のこだわりと高品質化、惣菜の豊富なバリエーション、スイーツの強化、多彩なPB商品、店内調理の進歩など、この数年で目を見張るような変革が起きている。高付加価値の商品群が増強されているのだ。如実に物語っているのが店頭で味わえるコーヒーだろう。厳選された豆の調達と機材の導入で大手コーヒー―チェーンに勝るとも劣らない味を提供している。これはコンビニ各社の売り上げ増にも大きく寄与している。


 さらに、前回のコラムでも触れた宅配サービスの開始と、きめ細かな食材セレクト。これは単身者、高齢世帯、働く女性たちにはありがたいサービスである。会員向けカードによるポイントサービスや、カードからの情報による購買状況の把握、商品開発も確実に進んでいる。そして、今度は高齢化社会に向けた健康志向の店づくりが始まっている。常に変化し、時代のニーズを先取りしていく。それが来店客数の増加という現象につながっていることは間違いない。

 


 より顧客、社会のニーズを汲み取ったきめ細かな店舗展開を

 社会構造が大きく変貌中のニッポン。高齢者はますます増え、医療費は増大の一途。女性の社会進出が一段と進み、外国人労働者の増加とも相まって労働環境の多様化、消費環境の多様化が起きてくる。消費行動、マインドの変化もある。こうした事態に、もっとも身近な存在であるコンビニはどう対応していくのか。各社ともそのモデルを模索中だ。「マチのほっとステーション」から「マチの健康ステーション」に舵を切ったローソンは、この2月、メディア向けにさまざまな事業モデルを披露した。「商品力強化」「生鮮強化」「地域密着」「健康“長寿”ステーション」。こうしたモデルの実現で、社会構造変化や地域特性などにあわせた差別化による成長を目指すとしている。


 具体的にはどんな展開か。いくつかのキーワードとともに紹介してみよう。

   高齢化60歳以上人口 1990年 2160万人 → 2030年 4500万人(予測)
  単身+夫婦のみ世帯 1990年 38.6% → 2030年 57.5%(同)
  消費行動・マインド 健康志向、安心・安全志向のさらなる高まり、買い物難民の増加
  競争環境の変化 従来型コンビニ店舗数の急増


 こうした社会構造・環境の変化に対し、ローソンが示した目指す姿は、「小商圏で生活全般のニーズに応えるモデル」。そのために実践していく課題は【1】生鮮関連商品の品揃え・商品力強化、【2】健康関連取り組みの推進・強化。【3】御用聞き・宅配取り組みの強化(ホームCVS)を挙げている。これらの課題をクリアしていくことで、「マチのお客さまの変化に機敏に対応する」としている。


 方向性はその通りだと思う。コンビニ業界は、これまでの拡大型成長から、社会のニーズに的確に対応するクオリティ成長と進化こそが求められている。その具体的な展開はどうなっていくのか。本当に顧客ニーズに応えられるのか。次回はローソンが2月、横浜にオープンした新業態の進化型コンビニ「ローソンマート」のコンセプト、実際の店舗サービスをウォッチしながら検証してみよう。

 

 

蓼山 陵