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2013年11月30日

カテゴリー: 蓼山 陵さん 「コンビニ探訪社会学」

消費者の安心・安全志向とコンビニの責務、そして農業再生

 

◆本物が求められる時代

 「一流」も「有名」も手を染めていた食品偽装。一連のニュースはさながら「日本列島 食品偽装シンドローム」といった現象である。怒りというよりもあきれ果ててしまう、そんな受け止め方をした人も多いのではないだろうか。メディアでは「デフレの長期化の中で収益を上げるために行われていた」といった解説がなされていたが、デフレだろうが何だろうが、本来あってはならないことである。それも今回だけの話ではない。毎年のように産地偽装、表示偽装が繰り返されている現実にはうんざりしてしまう。いつからこんな国になってしまったのか。
 健康志向の高まりで、消費者が安心・安全を求める機運が高まっている中で発覚した一連の食品偽装。消費者の食品を見る目は一段と厳しくなり、ますます本物志向を強めていくのは間違いない。そうした時代にあって、1日に数千万人の客が訪れるコンビニに求められるのは、手軽さや便利さだけではない。本物の安心・安全である。弁当や総菜、スイーツ、そして生鮮野菜と取り扱う品目が増え続けているだけに、安心・安全のハードルはより高くなっている。日々、いかに安心で安全な食品、生鮮類を提供するか。コンビニ各社の責務は重い。

 

◆土づくりからこだわる中嶋農法と地下水で徹底洗浄されるカット野菜

 コンビニの生鮮類で消費者のニーズが急激に高まっているのがカット野菜である。キャベツ、レタス、ニンジンなどがあらかじめカットされているので、すぐに料理に利用でき、高齢者や働く女性などの強い支持を得ている。そのカット野菜はどういう工程で作られているのか。ローソンにカット野菜を納入している群馬県の工場では1日15万パックのカット野菜が製造され、ローソンやスーパーなどに出荷されている。材料の野菜は自社で手掛ける農場のほか、全国の契約農家から調達。その大半が、土壌分析をしたうえで足りないミネラル、栄養素を補う土づくりから行う中嶋農法を実践している農家である。農薬はほとんど使わない。ミネラル豊富な野菜は形もよくみずみずしい。ニンジンをかじると、本当に甘い。糖度が高いのである。そうした野菜をカットし、殺菌したうえで地下120mの清冽な地下水で徹底的に洗浄する。一連の作業はすべて6度から8度に低温管理された屋内で行われている。最後に袋に詰められて出荷され、首都圏のローソンの店頭に並ぶ。

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 1パック100円前後で売られているカット野菜。その製造現場には、安心と安全、本物にこだわる農家や製造メーカーの熱意と技術があった。ローソンは今後、中嶋農法への取り組みを拡大し、2015年度末には全国に40のローソンファーム(現在は10ファーム)を展開し、中嶋農法で野菜作りを行っていくという。契約農家についても同様だ。安心・安全の野菜作りが全国的に行われていくわけで、これは利用客からすればうれしいことである。

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コンビニと農業

 こうした安心・安全への取り組みをコンビニ各社はもっと積極的に消費者にアピールしていくべきだろう。とくにカット野菜のような商品は、元の野菜の顔が見えない。パッケージへの表現だけでなく、自社サイトやCM、広告などを通じ、多くの人にその生産現場、生産の過程を伝えるのである。それは消費者の安心感につながるはずだ。


 コンビニが野菜作り、農場展開を積極化させ、同時に契約農家を増やしていくことは、さらなる効果をもたらす。就業機会の増加と「やる気のある農家」の育成である。中嶋農法との付き合いが長い富士食品工業の髙橋直二社長は、こう言っていた。


「中嶋農法で育てた野菜は味も形もいい。連作障害とも無縁で、収量も2~5割アップします。年収3000万円、4000万円という農家もいますよ」


 豊かな野菜作りは生産者も豊かにするというのだ。本物の野菜作りに参画する農家が増えれば、ほぼ埼玉県の面積に匹敵する38・6万ヘクタール(平成17年)もある全国の耕作放棄地の再活用にもつながる。ひいては農業の活性化、再生へと、可能性は広がっていく。
 「仕入れて売る」だけから、「育てる」へ。コンビニと農業とのかかわりはこれからが勝負だ。

 

蓼山 陵