ローソン広報 Smile Blog ~ほっとな情報でみんなの毎日を元気に~

※記事中の価格表記は記事掲載時の税込価格となっております。2014年4月1日以降は、新税率8%に基づく税込価格となります。

2013年10月31日

カテゴリー: 蓼山 陵さん 「コンビニ探訪社会学」

高齢者に優しい次世代コンビニの可能性

~マチの健康ステーションはどこまで進化するのか~

 

◆30年間で急成長、成熟したコンビニと少子高齢化社会

 タモリの「笑っていいとも!」が来年(2014年)3月で終了することが明らかになった。番組のスタートは1982年だから30年以上続いた長寿番組である。「テレビの黄金時代を象徴する番組だった。テレビの一つの時代が終わりを告げた」とある作家が新聞に語っていたが、この時代の変遷はテレビ社会だけのことではない。この30有余年で日本全体が激変した。日本が「ジャパン・アズ・ナンバー・ワン」ともてはやされたのが1979年。それからの10年間、バブル経済に向けて突き進む。そしてバブルが崩壊し、長い「失われた時代」に突入。デフレの長期化で社会は格差が進み、原発神話も崩壊。そこから、ようやく再生に踏み出そうとしているのがいまの日本である。

 激変は経済だけではない。少子高齢化の勢いがどうにもとまらないのだ。1980年当時の高齢者人口(65歳以上)は1000万人強で総人口に占める割合は9%台だった。それが現在(2013年4月の推計値)では、高齢者人口は3140万人で総人口の24・7%を占めるまでになった。この間、子どもは減り続けている。15歳未満の子ども人口は1649万人で32年連続の減少。「笑っていいとも!」とは楽観視できない状況が続いているのだ。今後も少子高齢化は進む。2050年には高齢者人口の割合が30%を上回ると予測されている。高齢化社会の進行と同時に増え続けているのが医療費である。2011年度の医療費総額はついに37兆8000億円まで膨れ上がった。前年度比で1兆1500億円もの増加。9年連続で過去最高を記録したのである。この先、どこまで膨らんでしまうのか。消費税の税率を3%、5%上げたところで、とてもカバーしきれないだろう。

 日本の経済、社会が激変した30年間はコンビニが急成長、成熟した時代でもある。全国に5万店規模の店舗を展開するコンビニが、少子高齢化社会にどう対応していくのか。大きなテーマである。

 

◆コスト高社会への対応 キーワードは健康

1niinamikenkou200-   

 そんな折、ローソンが10月上旬、中期事業戦略を発表した。この席で、新浪剛史CEOが打ち出した戦略は「地域の健康一番店を目指す」というものだっ た。これまでの「マチのほっとステーション」から「マチの健康ステーション」にしていくというのである。新たな健康への取り組みとして、次のような事業展 開を明らかにした。

<1> 医薬品(OTC/調剤薬局併設)取扱店舗 5年後に3000店舗
<2> ICT(情報通信技術)の活用、TV電話相談 5年後までに全店に導入
<3> ナチュラルローソン(OTC/調剤薬局併設含む) 5年後に3000店舗
<4> Ponta会員の健康管理サポート
<5> 定期宅配サービス「スマートキッチン」で低糖質食材、自然派食品の販売

 これまで取り組んできた「おいしくて健康な食」を基軸にしたミールソリューションに加え、セルフメディケーションサポートの拡充を通じて、顧客の健康で長寿な暮らしをサポートしていくということだ。

 一連の取り組みの中で注目したいのが、「予防」「未病」の思想である。胃が痛い、風邪っぽいからと薬を買い求めるだけなら、ドラッグストアで事は足りてしまう。もちろん、そうした機能は備えたうえで、「いかにしたら病気にならないか、予防できるのか」という観点からの取り組みに力を入れていくという発想は評価すべきだと思う。ミネラル豊富な野菜の充実、減塩、低カロリー弁当、低糖質のブランパンなど未病対応の健康食(ミールソルーション)に加え、ICTを活用した健康相談、会員向け健康管理サポート(セルフメディケーションサポート)の両輪が全国規模で機能すれば、医療費アップという社会コストの低減化につながる可能性を秘めているからだ。

 健康重視の取り組みはローソンに限らず、他のコンビニも追随してくるはずだ。全国5万店規模のコンビニが、「販売・サービス」から「健康」へと舵を切り始める意味は大きい。

kenkoutorikumiiroiro

 

◆単なる店舗からより複合的なタウンへの広がり

 5年後、10年後、日本はますます老いていく。その社会状況の変遷の中で、コンビニが未病対応をしていくのは必然の流れだろう。生産管理、物流、情報ネットワークを駆使して次世代型の「健康ステーション」に変貌していくのに、そう時間はかからないと思う。その変化のなかで、さらに求められるのは高齢者にとって楽しい場になるという点ではないだろうか。コンビニが役立つのは当たり前。そのうえで高齢者同士が時間を共有し、会話を弾ませることが出来るようなスペースを提供できれば、なおさら満足度は高まると思う。

 さらにいえば、ローソンの玉塚元一COOが触れていたが、介護ビジネス・施設などと連携する可能性があるように思える。いまは病院内コンビニが増えているが、たとえば、介護施設や老人ホームの隣に「健康ステーション」としてのコンビニを設置し、高齢者メインのサービス、商品展開などを行う。そのエリアに自然食レストランを併設すれば、訪れた家族や孫と一緒に食事を楽しむこともできる。クリニックの需要も出てくるだろう。結果的に、いまのショッピングモールを小さくした高齢化対応の“ミニタウン”になっていくのではないか。

 この先、次世代型コンビニがどういう形で展開していくのか。50代半ばに差し掛かろうとしている筆者にとっても、実に興味深いテーマである。

 

蓼山 陵