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2013年6月 4日

カテゴリー: 蓼山 陵さん 「コンビニ探訪社会学」

健康力アップに向けたコンビニの役割

 

◆東京・大田区にオープンしたローソン“健康重視店舗”の可能性

いま、時代のキーワードのひとつは間違いなく「健康」である。新聞、雑誌、TV、インターネット、どのメディアにも健康情報があふれている。長く続いたデフレ時代に社会の格差が拡大、社会福祉、医療への不満が高まる中、国民は自分のカラダの管理の重要性を肌身で感じ取った。病気になってからでは遅い。いかにしたら病気にならずに済むか。そこで、生きることの原点である「食」がクローズアップされ、一方でさまざまな健康関連商品が氾濫する時代になった。もちろん、高齢化社会の進行も無縁ではない。

そうした状況の中で、コンビニも健康を強く意識している。つい最近、健康を全面にアピールする店舗がオープンした。さっそく、店舗を取材した。

5月28日、東京・大田区久が原にローソンの新店舗がオープンした。「健康を意識した商品や、健康をサポートするサービスを提供するフラッグシップ店舗」という位置付けだ。分かりやすく言えば“健康重視店舗”といったところか。

オー プン前日に開かれたメディア関係者を集めた内覧会に参加、店舗内部をジックリ観察した。店舗の広さは通常のローソンとほぼ同じ。店内に入ってまず目に飛び 込んでくるのは多彩な生鮮野菜。有機野菜の「大地を守る会」やローソンファームの野菜、果物を中心に3カ所の陳列棚で販売されている。大根、ニンジン、 キャベツ、トマト、スナップエンドウ、パイナップルなど、スーパーに負けない充実ぶりだ。大地を守る会の野菜だけでも常時40~50種類あるという。「ミ ネラルたっぷりのこだわり野菜を提供していく」(玉塚元一COO)と意気込み十分だ。
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NBメーカーとの協業もセールスポイントだ。第一弾 は大塚製薬とのコラボ。今回は大塚製薬がフランスから輸入している健康食品ナンバー1ブランド「ジェルブレ」の多種多彩なビスケットが専用陳列棚に並ぶ。 NBメーカーの食材を発掘すると同時に、共通ポイントサービス「Ponta」の購買データを活用し、メーカー側に商品の改良につなげてもらうという狙いも ある。

健康にこだわった商品群も揃っている。ナチュラルローソンのオリジナル商品を中心とした品揃えをするなか、ブランパンなど健康に関連したPB商品の販売にも積極的に取り組む。このほか、糖質ゼロのハムなど「スマートキッチン」取扱商品も並ぶ。
OTC医薬品の販売にも力を入れている。150種類もの医薬品が棚に置かれ、サポートツールとして薬剤師に24時間相談可能なテレビ電話も設置してある。7月からはタニタの業務用体組成計を設置する。タニタのフェリカ搭載の歩数計を持っている客は、Loppiで歩数と体組成計で計測した身体データの記録が可能になる。

大田区・久が原という典型的な住宅街で始まった健康店舗の実験。果たしてどんな客が、どんな利用の仕方をするのか。これは興味深い。
 

◆高齢化の進展でますます強まる健康志向

前回の記事でも触れたが、日本における65歳以上の高齢者人口は増え続けている。4月1日現在の高齢者人口は3,140万人(総務省の推計値)で、ほぼ国民の4人に1人という状況である。元気な高齢者も病気を抱えた高齢者も健康への関心は強い。どうしたら病気にならずにすむか。予防的な見地から、真っ先に考えるのは安心・安全で健康的な食生活だ。その意味で、コンビニが産地や栽培法にこだわった生鮮野菜を強化しているのは評価できるし、利用客からも歓迎されることは間違いないだろう。

P5271940 200 惣菜や弁当についても同じことが言える。健康志向は何も高齢者に限った話ではない。共働きで平日は家事に時間を割けない女性(男性も)、ランチはコンビニ 弁当に頼らざるを得ない一人暮らしの単身サラリーマンらにとって、コンビニの食材は必需品となっている。それだけに低糖質、低カロリー、保存料・着色料不 使用といった条件をクリアしたものでなければ受け入れられない。今回のローソンの店舗はもちろん、最近のコンビニ各社がこういった点に力を入れているの は、当然の流れなのだろう。


OTC医薬品の販売拡大路線も支持されるだろう。ドラッグストアが多い都心では、胃腸薬や風邪薬などを切らしても割と手に入りやすいから心配はいらないが、ドラッグストアの少ない地方では、コンビニで医薬品を購入できるのはありがたい。24時間対応可能のテレビ電話があれば、なおさら心強い。
 

◆安心・安全な食と健康に関するさらなる情報発信を

健康関連の食材、医薬品販売、電話相談とコンビニの販売、サービス面は確実に強化されている。もうひとつ望むとすれば、安心・安全な食と健康に関する情報発信を一段と強化していくことだ。ローソンがフラッグシップ店舗と位置付ける東京・大田区の「久が原1丁目店」には、健康、レシピ関連の雑誌、書籍が通常の店の3倍以上並んでいた。それはそれで評価できるが、コンビニとしての独自の情報をどれだけ利用客に発信できるか。ローソンでは、低カロリー・低糖質のブランを使用したパンを使ったアレンジレシピや買い合わせをHPにアップし、利用客が自宅で簡単に楽しめるようにするという。そこをもっと強化していって欲しい。たとえば、「健康力を高める野菜を使ったレシピ」、「病気別予防レシピ」、「50代からの食と睡眠の正しいあり方」「スポーツと食事」など、切り口はいくらでもあるはずだ。それをPCやスマホで確認した客が、コンビニへ行き、実際に食材などを購入する。逆に客から端末を使って質問や要望を受け入れ、それを仕入れや販売にいかすことも可能だろう。

最後に、コンビニが生鮮野菜や食材にこだわり、仕入れ先を厳密に選定していくことは、生産者やメーカーの体質強化につながる点も見落としてはならない。仕入れコストだけを重視するのではなく、安心・安全の観点から仕入れ先を吟味、発掘していく。それを恒常的に行っていくことで、生産者やメーカーにまっとうな競争原理が働き、より安心で安全な食材をつくり納入することにつながるはずだ。マチの健康ステーションを構築していくのは、単に店舗内の話だけではない。店舗運営にかかわるすべての仕組みを「健康」を軸に構築していくことなのではないか。 P5271939 200

 

             蓼山 陵