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2013年5月13日

カテゴリー: 蓼山 陵さん 「コンビニ探訪社会学」

少子高齢化進行とコンビニの社会的ニーズ

 

◆65歳以上の人口3140万人。4人に1人が高齢者という実態

こどもの日の5月5日の朝刊1面に気になる記事が載っていた。「子ども減少32年連続」というものである。総務省がまとめた4月1日時点の人口推計によると、15歳未満の子どもの数は1649万人で前年比15万人減だった。人口全体に占める割合は12・9%。1982年以来、32年連続の減少というから深刻だ。一方、高齢者人口はどうか。総務省のHPで調べてみた。

同じ4月1日現在の推計値で、65歳以上の人口は3140万人と子供人口の2倍近い。前年比でなんと106万9000人増えている。総人口に占める割合は24・7%。つまり4人に1人が高齢者なのである。統計数字だけではない。身近なところで高齢化社会を実感するシーンが増えている。筆者の自宅の両隣も、夫が数年前に定年退職し、今では年金生活で趣味のゴルフやガーデニングなどを堪能されている。

駅前の広場では朝6時過ぎには高齢者が数十人集まり、ボランティアで清掃をしたり、ラジオ体操を楽しんでいる。介護が社会問題になっているが、元気でアクティブなシニアが多いのも事実なのである。現役時代は、毎日通勤電車で自宅と会社の往復だったシニア層にとって、コンビニは「若い人が使う店」という思いが強かったのではないだろうか。たまに入ることがあっても缶コーヒーかたばこ、新聞を買う時ぐらいの存在だったろうと思う。 しかし、自由に使える時間が増え、行動に制限がなくなった状況の中で、シニアにとってコンビニは身近で、文字どおりコンビニエンスな存在となる。朝の散歩、ジョギングの帰りの立ち寄り、ランチのお弁当、晩酌のつまみの購入、書類や資料のコピー、コンサートチケット購入など、あらゆる生活シ―ンで活用できるからだ。

 

◆シニアが訪れたくなるようなコンビニの条件

逆にいえば、コンビニ側にとっては、増え続ける高齢者をいかに店に呼び込むかが、経営安定化、成長のポイントとなる。そのためには、シニアが手に取りたくなるような商品群の充実が欠かせない。

たとえば、食品。シニア世代は、ヘルシー志向が強く、メタボやロコモティブ・シンドローム対策に敏感だ。これまでもコンビニ各社はカロリーや糖分、産地表示などに気を使ってきたが、さらなる徹底と進化が望まれる。単に「低カロリ―」「糖質ゼロ」といったことをアピールするだけでは、物足りない。生鮮類ならその産地の特性、総菜なら単品ではなく組み合わせの効用、お弁当ならその日の食生活における一食のバランス表示といった、「カラダにいいこと」が目に見える形で表現されていれば説得力を持つ。もちろん、味付けも重要だ。ヘルシー志向という観点からすると、健康食品、サプリ、医薬品の販売も大きなカギを握ってくるだろう。

現在、ローソンはクオール薬局を併設した店舗を31店展開している。食品や日用品を購入したついでに医薬品やサプリも。こうしたスタイルが一般化していくと、シニア層の来客アップにつながるはずだ。書籍、雑誌類も見直しが急務だろう。現状をみると雑誌は明らかに若者向けや30-40代向けが主流で、シニアが手に取りたくなるようなものは少数派だ。書籍関連は数、種類が少なすぎる。健康・食・ライフ・エンタメ・旅、歴史。シニアの関心あるテーマに応える形で雑誌類の充実を図っていけば、ブックスタンドに立ち寄るシニアは確実に増える。その情報に連動した商品が販売されていれば、なおさら効果的だ。

 

◆商品、サービス提供だけでなくシニアが活躍できる店舗に

ここまではシニアを客としてとらえてきたが、発想を変えよう。時間に余裕があり、人生のキャリアが豊富なシニア層を店舗のスタッフとして活用してみてはどうか。フルタイムの必要はない。若いスタッフが苦手な早朝の時間帯、あるいはシニア客が訪れるような時間帯に働いてもらうのである。彼らのニーズを店舗の商品、サービス構成に活かすこともできるだろうし、シニア客への親身な対応も可能となる。また、若いスタッフとの交流で、世代を超えたつながりができ、新たなサービスが生まれるかもしれない。

一方で、コンビニがシニアたちの交流スポットに変貌する可能性も出てくる。シニアスタッフが主導して、趣味、地域活動、ボランティア情報を店舗内で提供し、賛同した客がこうした活動に参加する。「おばあちゃんの手作り料理教室」「スポ根マンガ レンタル会」「○○店 アクティブシニアコンペ」なんてあったら楽しそうだ。シニアにとって、コンビニがまさに「マチのほっとステーション」になる。少子高齢化社会を憂うだけでなく、コンビニとして何ができるのか。その実践が問われる時代だ。

             蓼山 陵