ローソン広報 Smile Blog ~ほっとな情報でみんなの毎日を元気に~

※記事中の価格表記は記事掲載時の税込価格となっております。2014年4月1日以降は、新税率8%に基づく税込価格となります。

2013年4月10日

カテゴリー: 蓼山 陵さん 「コンビニ探訪社会学」

深夜のコンビニを大人のワンダーランドに

◆ 落ち着いた店内でゆっくり商品チェック

  メディアに勤務していたころから、深夜にコンビニを使う機会は多かった。編集作業の合間にふらっと出掛け、カップラーメンやおにぎり、おでんなど夜食を買ったものである。職場に戻って仲間と食べながらのコミュニケーションタイムだ。最近は、事務所で原稿を書き上げた後、ビールやつまみを求めて近くの店に足を運ぶ。0時から1時ぐらいの時間だと終電帰りのサラリーマンやOLの姿を見かけるが、2時過ぎともなるとさすがに閑散としている。客がほとんどいない店で店員さんも少ない。挨拶以外の話し声もなくBGMだけが流れている。客がごった返し、レジに列ができる昼間とは正反対である。

 その非日常的な空間に、ついつい長居をしてしまう。日中は目的の商品を買ったらすぐに店を後にするのだが、深夜のコンビニにはある楽しみがある。新商品や売れ筋商品のチェックである。日ごろTVをあまり見ないのでCMに疎く、コンビニで「あ、こんな商品が出たんだ」という小さな発見をすることが多い。さっきも「薫り華やぐ○○○」といったコピーにつられて某社の限定醸造麦芽100%ビールを買ってしまった。カップラーメンは次から次へと新しいタイプが登場し、ライバル商品がひしめくなかで独自色をアピールしている。まず買うことはないが、スイーツも毎週、新顔が並ぶ。PB商品の充実ぶりも目を見張るものがある。ローソンでいえば「ローソンセレクト」。南米エクアドルの農園で栽培された「田辺農園バナナ」は1本105円。ほどよい甘さで果肉がしっかりしている。肉じゃが、きんぴらごぼうなどお父さんが喜ぶ惣菜、さらにはデリシャスふかひれスープ、ほうれん草のキーマカレーと多種多彩で飽きない。

 一方で、「あのドリンクなくなっている」というシーンがなんと多いことか。厳しい競争のなかで陳列棚を確保し続けるのは大変なことなのだ。改めて定番商品の実力を思い知らされる。いささか不満なのはマガジンコーナー。雑誌中心の品揃えは分かるが、書籍は実用関連がほとんどで楽しみがない。限られたスペースでジャンルを増やすことは難しいだろうが、もう少し幅が欲しい。店舗によっては弁当類の品揃えが少なかったり、定番商品(ビールなど)が品切れになっていたりしてガッカリさせられたこともある。そんなことを考えながら店内に20分ほど滞在していると、30代とおぼしきカップルが入店してきた。2人とも結構飲んできたみたいで足元がおぼつかない。しばらくすると「何言ってんの、ワタシ帰る」と大声が。女性はスタスタと店を出ていき、買い物カゴを持った男性が所在なさげにレジに向かう。深夜のコンビニでは毎日、小さなドラマが繰り広げられている。

 

◆ 24時間営業の是非論はもう決着済み?

 利用者にとってはなにかと便利なコンビニの24時間営業だが、かつて「コンビニの24時間営業は本当に必要か」という議論があった。コンビニのトップも言及したことがある。深夜営業に伴うオーナーの負担増、防犯問題、電力消費問題などがその背景にあった。いずれの問題もすべてが完全にクリアされているわけではないが、最近はこうした是非論を耳にしなくなった。なにがあったのか。このような話を聞いたことがある。

「深夜にあまりお客様が来られないことから、過去に実験として、深夜に閉店したことがあった。結果は、日中のお客様が減ってしまった。調べると24時間開いている他の店にお客様が流れてしまっていた。オーナーからは24時間営業に戻したいとの悲鳴があった。」

お客の行動は、どうも複雑らしい。

 防犯問題に関しては、防犯カメラ、緊急通報システムの設置をはじめ対策を強化。電力消費はLED照明への転換、自家発電など省エネ対策への積極的な取り組みで対応する。そうしたコンビニ業界の姿勢に加え、24時間営業を必要とする社会的ニーズの高まりが「是非論」を吹き飛ばしたのだろう。実際、大都市圏では深夜勤務、深夜帰宅の人々が少なくない。タクシーやトラックのドライバー、深夜勤務の看護士、飲食業関係者などにとって深夜のコンビニはそれこそ「なくてはならない存在」となっている。

 日常性だけではない。コンビニの存在感を一気に高めたのは、前回も触れたが東日本大震災直後の迅速な対応だ。それによってコンビニは災害時の緊急ステーション、「社会インフラ」としての存在価値が広く認知された。水、食品、乾電池、懐中電灯、トイレ用品など災害時に欠かせない商品を常時提供する。大都市圏では帰宅困難者への「帰宅支援ステーション」としての役割。災害はいつ起きるか分からない。深夜に発生した時、コンビニが営業していなかったらどうなるか。災害時の社会インフラとして必要性が認知されたことで、24時間営業への期待はむしろ高まっているのではないか。

 

◆ 新たな深夜・早朝営業スタイルの構築

 深夜営業へのニーズが高まるなか、コンビニの営業スタイルはまだまだ変革の余地があると思う。昼休みにお弁当を買いに来る層と違い、深夜客は比較的ゆっくりしている。彼らの関心を引くようなサービスはないだろうか。商品販売や金融サービスなど従来型のシステムだけではなく、利用客にとってのコミュニケーション・スポットとしての機能をもっと充実できないだろうか。たとえば、コンビニ所在エリアの地域の独自情報を店内の端末で紹介するといったサービス。仕事中心の生活に追われるサラリーマンや独身のOL、学生などは外の情報やトレンド情報は詳しいが、自分たちの居住エリアの情報は意外と知らないものである。お祭りや文化活動などのイベント情報、グルメ情報、サークル情報、防災関連情報など居住地ライフを豊かにする情報発信を行うことで、利用客は地域情報の収集が可能になる。さらにそうした情報がきっかけで新たな交流が生まれ、地域活性化につながる可能性が出てくるはずだ。

 全国各地のコンビニが地域限定で扱っている商品やフードサービスの紹介コーナーがあっても楽しそうだ。ハワイや中国、インドネシアなど海外店舗の紹介情報も面白い。そうしたサービス提供から意外な人気商品が誕生するかもしれない。BGMも一考の余地があると思う。深夜は、もっと人のぬくもりが感じられるようなものを流してはどうか。また、深夜の延長でいけば早朝の5時、6時といった時間帯のサービス、商品構成も一捻りできそうだ。高齢化が進むなか、散歩やラジオ体操など朝早くから活動を始めている高齢者は多い。シニア向けの健康関連商品、体操関連書籍などのコーナーを設置してみてはどうだろうか。シニア向けのサービス展開を強化すれば、顧客層は確実に広がるはずだ。24時間営業でさまざまなスタイルを提供し、顧客ニーズをつかむと同時に社会インフラとしての価値をさらに高めていく。地域一体型コンビニの可能性は無限である。

 

蓼山 陵