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2013年3月25日

カテゴリー: 蓼山 陵さん 「コンビニ探訪社会学」

誕生40年 劇的進化を遂げたコンビニの今後

◆ 1970年代、アメリカの流通文化が上陸

 1974年、東京都内に日本で初めてコンビニエンスストアが誕生した。数年後には筆者の住んでいた信州の田舎町にもオープン。小さな食品スーパーしかなく、夜7時を過ぎればシャッターが閉まってしまう寂しい商店街の一角で、夜中近くまで煌々と輝いていた。高校生だった筆者にはカルチャーショックだった。まさに「アメリカ文化がやってきた」からだ。夕食後、何を買うでもなく店をのぞき、未知の世界への憧れに浸ったものである。

ローソン1号店

 ローソンの1号店「桜塚店」(大阪市豊中市)がオープンしたのは1975年6月14日。ジョン・レノンやカーペンターズの曲が流れていたころだ。レンガづくりのアメリカンな店構えで、広さは69坪。現在の通常店舗(35坪)の2倍というから、いかに力を入れていたかがうかがえる。パーティーフーズ、デリカテッセン、スモークドビーフなど商品もアメリカンテイストを売りものにしていた。コンビニ創成期は夢と共にあった。

ローソン1号店


◆ 飛躍的な拡大と劇的な変化

 それから40年近くの歳月が流れた。ローソンの親会社はダイエーから三菱商事に変わり、ローソンの国内店舗数は1万1130店舗(ローソン:9796、ナチュラルローソン:110、ローソンストア100:1224=2月末現在)と飛躍的に増えた。海外展開も急伸、中国の362店舗をはじめインドネシア、ハワイにも進出し総計で448店舗に達する。変化は量だけではない。店舗バリエーションの多角化、新商品開発力・機能性の向上、社会貢献拠点としての存在性など、質的にも劇的に進化を遂げているのだ。

 一方で、近年、コンビニ業界に対する批判的な声が出ていたのも確かだ。たとえば、24時間営業の弊害。警察庁の統計(2012年上半期)によると、深夜(午後10時から午前7時)におけるコンビニ、スーパーを対象とした強盗事件は273件。2日に3件の割合で発生しているのだ。検挙数は141件と約5割にとどまっている。「便利さの裏側に危険が潜んでいる」という指摘である。深夜営業によるエネルギー消費、二酸化炭素排出問題も無視できない。LED照明設置や環境配慮型店舗の展開など対策が進むが、まだ完全とは言えないのではないか。

ローソン店内LED証明

LED照明


◆ 東日本大震災で再認識された社会インフラとしての存在感

陸前高田の仮設店舗

 そうした状況下で、コンビニ業界にとって試金石となったのが、2年前の東日本大震災直後の対応だろう。物資が欠乏する被災地に向けて、ローソンは3月14日、JAL便を使って伊丹から青森へおにぎりを空輸。それを陸路で被災地に運んだ。一方、加盟店のオーナーたちも「まちの拠点」を守り通した。被災直後、停電が続きレジも打てない状況で、他のチェーン店が店を閉める中、店舗を開け続け、食料や乾電池などを求めてやってくる客の列に対応したのである。被災で一時的に閉店を余儀なくされた店舗も、再開を急ぎ、本部は特別便で商品供給を最優先した。

陸前高田の仮設店舗

 他の大手コンビニチェーンも被災地への取り組みに全力を注入した。こうした震災直後の各社の迅速でキメの細かい対応が消費者に評価され、コンビニは社会生活に不可欠な「第4のインフラ」としての地位を確固たるものにした。これに伴い、前述の批判も下火になっていったように思える。

 今後の最大のテーマは少子高齢化が加速する中で、いかに顧客ニーズにあったサービスを提供できるかだろう。高齢者向けの宅配サービス、ネット販売の拡充、高まる健康志向への対応、商品開発など取り組む課題は多い。スーパーやドラッグストア、さらにはアマゾンに代表されるネット通販勢力などコンビニのライバルは多い。

 10年後、20年後、いったいどれだけのコンビニが生き残っているのか。主要14グループの国内店舗数は昨年、ついに「飽和状態」の目安とされる5万店を突破した。他業態の追随を許さないイノベーションを続けていかなければ、顧客の心をつかみきることはできない。サバイバル時代に突入したコンビニの新たな改革とチャレンジに注目したい。

 

蓼山 陵