取締役メッセージ

挑戦を続ける姿勢はローソンならではの力。
自社の強みの再定義でさらなる成長を期待します。

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社外取締役
株式会社DoCLASSE 代表取締役
林 恵子

高齢化、人口減の進む日本において、コンビニエンスストアには大きな役目があります。ひとつは、シニアのお客さまの日々の暮らしへのサポートです。そこでは、ご近所の歩いて行けるローソンでの温かなサービスが生きています。もうひとつは、労働力の不足から働く女性が増えていくこと。ここにも大きなニーズがあるでしょう。最近始まったローソンフレッシュピックは、仕事帰りに店頭で商品がピックアップできます。ローソン店舗では生活雑貨や食品もたくさん揃い、医薬品の取扱いも徐々に始まっています。そこにさまざまな新しい付加価値型サービスを融合させていくことで、ローソンならではの、これまでにない形の拠点サービスになっていく可能性を感じています。
 コンビニエンスストア業界が、新時代に入っていくのは確かでしょう。そこにはドラスティックな改革が必要です。競合他社に取って代わる新しい魅力を作らないと。サービス、話題性、あるいは商品など、ローソンを特徴づけるものを見極め、もっと際立たせていければと感じています。
 人口減少でマーケットがどんどん小さくなるならば、マーケットの定義を変えればいいんです。ニッチを定義して、そこでトップになるという考え方です。そうしたほうが優位に立てますし、印象づけしやすいんです。例えば女性の支持が高いのはローソンの特色でしょう。ナチュラルローソンや成城石井 なども高感度な女性に人気です。そこにもポテンシャルがあるはずです。またローソンが開発してきた健康志向のラインナップも、女性にも高齢者にも喜ばれる取り組みです。そこでおしゃれでヘルシーなライフスタイルや食べ物を強化すれば、新たなマーケットになります。どのカテゴリーで、どう定義づけるか、という具現化のプロセスも重要で、成長の余地はまだまだ大きいと感じ ています。
 今、ローソンが進めている夕夜間への取り組みも期待できます。商品発注や店舗納品などの仕組みを見直し、弁当などの工場や配送センターまで半年以上かけてプロセスを再構築しました。取引先をも巻き込んで、新しいことに挑戦し続けることには大きなエネルギーを感じます。エネルギーとは、目に見えないものですが、こうして自ら変えていくという風土や文化こそが今後への確 かな力につながると思います。
 加えて、執行力の強さも評価しています。まずは戦略が大切ですが、やはり実行力。やりきる力が重要です。物事が変わるのには少し時間が掛かります。そこは辛抱の時でもあるでしょう。竹増社長の体制になって1年、さらによい方向に進んでいると思います。商社ならではの嗅覚やマッチング能力と、リテールの現場を通した思考能力がうまく合わさり、とてもいい力になってきています。
 私たち社外取締役の一番の役割は、会社の価値を高めることです。社内の執行メンバーが健全に経営判断できているかをしっかりと見ています。会議では言いにくいこともどんどん忌憚なく言わせてもらっています。企業価値を上げ、成長させて利益を出すことは個人投資家も三菱商事も、皆さん共通の思い。そこに矛盾はありません。
 私自身、ローソン店舗にはよく行きます。ローソンにはアットホームな雰囲気がありますね。ナチュラルローソンはおしゃれですし。そうした印象は、見えない価値につながるひとつのパワーです。そこにも日販向上へのヒントは数多くあると思います。温かなおもてなしの心はローソンのDNA。さまざまなアイデアに取り組み続け、店舗の魅力を増していくことで、ローソンはまだまだ成 長していけると思います。

長年築き上げてきた三菱商事とのさらなる連携強化が、
ローソンの持続的成長につながると確信しています。

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取締役
三菱商事株式会社 常務執行役員 生活産業グループCEO
京谷 裕

コンビニエンスストアは、地域の生活必需インフラとしてすでに確立されたといえます。人口減少により店舗数など市場成長スピードは鈍化しつつありますが、今後はそれぞれの強みを活かして進化していく流れが加速するでしょう。
 ただ、社会の変化は非常に速く激しくなっており、食品スーパー、ドラッグストアなどの他業種、さらにeコマースもコンビニエンスストアの得意領域に足を踏み入れて、別次元の競争が始まっています。コンビニエンスストアの機能をさらに進化、変貌させていくには、変わりゆく消費者ニーズを取り込み、同時に社会的課題の解決につながるサービスとモノを、いかに組み合わせて提 供していけるかが、これからの経営課題になっていくと思います。
 ローソンは、それぞれのマチの皆さんと温かい関係が築けていると思います。今、人手不足もあり、店舗での作業効率を上げていかなければならないなかで、そうした温かみを維持、強化していくのは相反する命題かも知れません。しかし、ローソンの加盟店オーナーやクルーの皆さんはやる気も熱意もある。よい人財を採用し、育成していく仕組みができています。この点を見るだけでもローソンの将来は非常に明るいと思いますし、さらに成長していけるポテンシャルを強く感じています。
 ローソンの強みのひとつに、失敗をおそれないチャレンジングスピリットが風土として根付いている点があげられます。そうしたよいところを活かし、一方で、戦略を実行していくなかで常に見直しを行い、失敗は反省し、タイムリーに修正していくことも重要です。その見極めは、まさに私たち取締役の役割です。
 さらに、私が果たすべき役割は、長年在籍してきた三菱商事での知見や経験を最大限活かすことだと考えています。三菱商事は、国内外におけるほぼ全産業に何らかの形で関わっているため、ローソンが今まで関わってこれなかった分野も含めて、より俯瞰的に社会の変化を捉え、取締役会ではさまざまな角度から意見提供することを心がけています。
 ローソンは、これまでも三菱商事との提携を通じ、さまざまな取り組みを行ってきました。昨年、その子会社になったことで、今後、さらにスピードアップして、多くの取り組みが広がっていくことでしょう。これまでも、物流やグローバルベースでのサプライチェーンの効率化を共同で推進してきていますし、今後も、協力工場における製造ラインの省力化・自動化にチャレンジしたり、デジタル分野で新たなサービスを創出したり、三菱商事のネットワークや知見を最大限活用して、さまざまな分野でコラボレーションがますます進化していくことを期待しています。
 顧客利便性の高い小商圏型店舗を全国に展開しているローソンは、三菱商事にとっても頼もしいパートナーです。厳しい競争環境において持続的に成長し続けるために基礎をしっかり固める時期にありますが、お互いに緊張感を持ち、切磋琢磨しつつ、一丸となって未来を切り開いていくことが、ローソンの成長に必ずつながっていくと確信しています。立ち止まることなく、ともに前進し続け、われわれにとって最も大事なマチの皆さまの幸せを、ローソンと一緒に追求していきたいと思います。