代替エネルギーについて
- 2008年12月26日
今後、石油に代わる代替エネルギーが世界を変えていく
9月に起こったリーマンショック以来、一番大きなポイントとして考えなくてはならないのは、石油中心のエネルギー経済から太陽エネルギーなどの代替エネルギーが大きく必要になってくるということです。このような議論が増えてくると、アメリカ、いわゆるブッシュ政権が行ってきたイラクなどの中東への関与も変わってくるでしょう。3%しか石油を生産していない国が、5割強の石油を使っていて、その石油を守るためにいろいろな政策を打ってきたというのが、共和党を中心としたブッシュ政権ではないでしょうか。"もっと化石燃料の使用を抑制して地球温暖化をスローダウンしていこう"という世界の大きな流れに逆行していたブッシュ政権は、この件に対してまじめに取り組んできませんでした。石油から代替エネルギーに変わっていくこと自身が大きな文明の曲がり角であり、いい意味で新しい文明に変わっていくターニングポイントじゃないかと思っています。
まあ、そういう意味でオバマ政権というのはこれから代替エネルギーで一つの産業を興していこうということが大きくクローズアップされているのでは、と私は思っています。世界で一番温暖化に影響を及ぼしているアメリカがやっと初めて動き始めるのではないでしょうか。
まずは代替エネルギーの早急な実用化を
こうして考えてみると、「エネルギーをいかに効率よく使うか」「代替エネルギーをどうやって得ていくか」という2つの"文明"が、今後さらに注目されそうです。日本のエネルギー効率はアメリカより数倍よいといわれています。中国やインドと比較すると、さらに差が開いています。日本は先進国の中ではエネルギー効率がかなりよいほうなんです。そして、それを支える代替エネルギー関連の産業がいくつもあります。太陽光をパネルで集めて電池に蓄えた「太陽エネルギー」は、最先端の代替エネルギーです。「ヌークレア」という水素エネルギーも注目されています。また、スーパーコンダクティビティー=超電導のような技術もたくさん持っています。
ただ、技術が実用化されていないのが残念ですね。これからは日常的なものとしてもっともっと産業化していかないと……。例を挙げると、超電導の技術をもっと実用化し、AからBというポイントへの電気が流れる際の無駄をなくせば、新幹線だってもっと速くなります。リニアモーターカーの一般利用も始まるでしょう。現段階では夢のような話、たとえばサウジアラビアに太陽パネルをバーンと並べて得られる電気を日本に持ってくることも可能でしょう。エネルギーがあれば、海水を真水にすることだってできます。
効率的にエネルギーを活用する技術においては、日本はまだまだ世界に先駆けて貢献できます。エネルギー効率のよくないインドや中国などと連携し、技術供用や機械輸出などの産業を興せば、日本の産業はもっともっと大きくなっていく可能性は大いにあります。国内需要を高くしていけば、それによって代替エネルギーもさらに大きく発展していくのではないでしょうか。
新しい産業をもって国内内需を掘り起こす
個人的には、そうした代替エネルギーを使った国内需要の中で特に大きなものが「電気自動車」だと思っています。現在は日本が優位に立っている分野ですが、大きなターニングポイントを迎えています。電気自動車の場合は決して先進国だけのゲームではなく、発展途上国にも参入できる市場ですからね。これから世界で起こるであろうこの競争をリードし続けるためにも、まずはその存在を早く世間に浸透させていってほしいですね。浸透させるには"電気自動車にしたほうが二酸化炭素が減りますよ"とかの建て前的な話でなく"電気のエネルギー代のほうがガソリン代より安くなりますよ"という経済合理性が必要です。
電気自動車の性能が実用ベースまで引き上げられ、それをサポートする電気高速充電器のスタンド設置などのインフラが整えば、電気自動車そのものも台数が増えて電池代が安くなり、それによって電気自動車の本体も安くなり、ガソリン車からの買い替えが起こってきます。昔は手で回していた洗濯機がいまや全自動洗濯機になったのは、コストが下がって需要が大きく出てきたからです。大きな内需が生まれれば、ガソリン車がすべて電気自動車に変わることもあり得ます。電気自動車に内蔵される電池などの関連産業も、新しい産業として非常に発展することでしょう。
需要を掘り起こす・作り出すためのブレークスルーになるのは、やはり新しい技術です。20世紀から今世紀の初めにかけて化石燃料の取り合いの戦争が起こっていましたが、代替エネルギー技術の競争になるべきでしょう。例えば当面の間はいくらでもある太陽エネルギーなら、そうした争いには至りません。また、有限ではありますが、将来的にウランも非常に長い間使える様になるでしょう。原子力発電の技術がさらに安全なものになれば、エネルギーの幅が広がるでしょう。このあたりは原子力発電先進国の日本とフランスが技術を切磋琢磨しているので、けっこうな期待が持てそうです。もちろん、それには処理済燃料の対応や廃棄の方法、新しい原子炉の開発など、解決しなければならない問題がまだまだありますが。
こうして振り返ってみると、日本の技術は平和貢献にも役立っているのかもしれませんね。
「技術」があれば、来年の日本も明るくなる?
我々ローソンでも、この代替エネルギーへのシフトを大きなパラダイムと考え、ローソン店舗のエネルギーを効率よく使うための機器などをどんどん導入するなどしたいと思っています。電気自動車をローソン自身が導入することはもちろん、お客様の電気自動車にエネルギーをチャージする"電気スタンド"としてご利用いただける体制づくりも早急に行いたいです。
幸い、ローソンはいろいろなところに店舗があります。それこそ自動車と大いに関わりのある高速道路のSA(サービスエリア)にも。SAでの電気スタンドの設置も、もちろん視野に入れています。どうせ設置するなら5分のチャージで50km走れるくらいの高速充電器を持つスタンドにしたいですから、その開発に関することも考えなければいけません。数を多く設置するには、機械自体の価格も抑えないといけません。まだいろいろなアイデア・工夫が必要ですが、パラダイムが変わることを考えると、この厳しい時代にありながらも胸がワクワクしてきます。
今後もかなりの景気悪化が予想されますが、大きな恐慌は過去にもあったわけで、決して史上初のことではありません。それに、景気のこういう大きな波がつくられるとき――どん底から上向きになる時期には、必ず新たな文明――イノベーション・フロンティアがやってくるものです。なので、今回のウォールストリートを中心とした金融危機は、案外よいきっかけになる可能性があるのでは、とも思っています。
だいたい、いまの金融恐慌というか金融危機というのは人間の欲望がつくり上げたもの。なので、ざっくばらんに言わせていただくと、世界の"頭のいい連中"の頭脳を金融工学に費やすのは嘆かわしいですし、もったいないです。今後はその頭脳を代替エネルギーなどの新しい文明のほうに回せば、世界の経済がまた発展できるようになるのではないでしょうか。
あと、我が国に産業政策のための予算を意図的に取っていってほしいですね。減税などの税的な予算措置とか。経済の中に大きな産業を作っていくことは一番大切ですから。また、これをバックアップする政治のリーダーシップも必要ですね。現在は政治のリーダーシップがあまりにもないので。産業を大きくしていけば、日本はもっと世界に対してリーダーシップをとることができるはずです。
たしかに、来年は今年よりも厳しい1年になるでしょう。けれど、暗くなってばかりいてもしようがありません。苦しい中でもフロンティアだとかイノベーションというものに目を付け、どのようなもの・ことが起こるかを見極めて関与していくことが、企業の今後にとっては大きくプラスに働くと思います。
日本には世界のリーダーシップを取れる、苦境を切り抜けるだけの「技術」があります。その素晴らしい知恵を最大限に生かし、明るい日本になることを願っています。

薬事法の改正や規制緩和、それは大いに歓迎すべきものです。しかし、私は今回の薬事法改正を「薬をローソンでも販売できるようになるから嬉しい」と手放しで喜んではいません。なぜなら今回の薬事法改正で新設される登録販売者の知識だけで、どの薬とどの薬を一緒に飲んだらいけないかなどをお客様に正確に伝えられるかどうか気になっているからです。
一般に、OTC(一般大衆薬)で出している薬と医局で出している薬は別物です。OTCは医師が処方する薬よりも若干効果が弱いのだと思います。ちなみにアメリカではOTCと処方される薬が一緒なものも多々あります。
その後、郵政さんとのいろいろな取り組みが進むことになりました。