新浪ブログ

「お客様さまに、より近く」この想いを胸に、 ローソン社長・新浪剛史がコンビニエンス業界のあり方や、取り巻く社会の過去・現在・未来を率直に語ります。

元気になろう!日本

2011年4月25日

  2011年3月11日金曜日14時46分18秒。日本国内観測史上最大のマグニチュード9.0という巨大地震「東北地方太平洋沖地震」が発生しました。多くの尊い命が失われました。地震から1ヶ月経っても大きい余震が続き、不安で不便な避難所生活を強いられている方も大勢いらっしゃいます。 震災により亡くなられた方々のご冥福をお祈りすると共に、被災地が1日も早く復興し、被災者の方々が安心して暮らせるようになることを、心よりお祈り申し上げます。

東日本大震災の爪あと

東日本大震災の爪あと  「東北地方太平洋沖地震」発生当時、私は品川区の本社社長室にいました。揺れの大きさで大変な事になると思い、ただちに緊急対策本部を立ち上げるよう指示しました。現地を良くわかっている支社と連絡をとり、社員・加盟店の皆さんの安否確認をしました。それから現地に調査隊・応援隊を派遣し、店舗・工場・配送センターの状況確認をすすめました。思った以上に被害は大きかった。この未曾有の事態に、まずは「コストがかかっても出来ることは何でもやろう!」と、全社一丸となって取り組むことを決断しました。

  まずやることは被災地支援。最初の1週間~10日はとにかく食料が足りなくなるとわかっていたので、日本航空や自衛隊に協力して頂き、北海道や関西・中部地方から、調理せずに食べられるおにぎりやパンをたくさん送りました。

京都タンクローリー  次に、店舗を開きお客様に商品をご提供することを重視しました。しかし、今回は被災地の規模が大きく、また燃料不足という大きな問題もあった為、なかなか思うように進みませんでした。大変歯がゆい思いでした。工場を稼動させるための重油も、そこで働く方の自家用車用のガソリンも、商品を店舗に運ぶトラック用の軽油も大変不足していました。関西や九州からたくさんの燃料を運びやっと少しずつ商品供給ができるようになったのです。

  お店が開いているとお客様は安心されます。看板に光を灯すことで商品が入ったとお客様に伝える。お客様の欲しいものをなんとか提供しようと、神戸の震災での経験をもとに、震災発生10日以降にはチョコレートなどの甘いものや、温かいものをできるだけ提供しました。

  私自身も実際に被災地を見て、被災されたオーナーさんや従業員の皆さんを激励しました。何もなくなったマチの風景を見て、本当に言葉が出ませんでした。現地に行ったからからこそ気づいたことがたくさんありました。一番は、企業というのは社会と共に生きているのだということです。今回震災にあった地域が長い間復興しなければ私たちローソンや、多くの企業がつぶれてしまう。やはり私たちのあるべき姿は、長い間このコミュニティとの関わりを大切にすることであるとつくづく感じました。

“マチを幸せにする”ということ

  続いて発覚したのが、原発問題でした。避難命令の出ている20km圏内と屋内退避エリアである半径30km圏内にローソンは合わせて8店舗あります。現在も全ての店舗を休業させて頂いています。しかし、30km圏外でも風評により多くの商店が休業し、生活がままならない方が大勢いらっしゃいました。国や自治体から、なんとか店を開けて欲しいと依頼があった時、オーナーさんに強要はできないと、一旦お断りしました。オーナーさん自身も被災され避難所で生活をされていましたし、ご家族や店舗従業員にも亡くなった方がいらっしゃいました。しかし、「マチのために、ぜひ開けましょう」と言って下さったのです。本当に頭の下がる思いでした。他のオーナーさん達も同じ想いでいてくださり、現在ではいわき・相馬地区の27店舗が営業を再開しています。

いわき市店舗再開  ではそこで、やるなら商品をきちんとお届けするのが本部の仕事と、東京から10tトラック17台分の商品を毎日運びました。その為関東の店舗にあまり商品が並ばなくなってしまいました。東京にはローソン以外にもお店があると割り切ってしまいました。お客さま、オーナーさんには大変ご迷惑をお掛けし、すみませんでした。それでも、私たちは東北を最優先にしようと決めました。この地域にはこのローソンしかないのですから、大変な商品量が必要です。開店当日には、お客様が列になって待っていて下さいました。大変申し訳ないことに、数時間後には商品が売り切れ、一時閉店を余儀なくされてしまいました。まだまだ足りなかった。翌日からは定期的にまとまった量を納品し続けました。お客様からは、商品がなく残念がられる声と共に、店が開いた事への感謝の言葉をいただきました。

  店舗が営業を再開して何日か後に相馬市を訪れると、周りにある他のコンビニやスーパーも開店していました。マチが活気付いてきたように見え、大変うれしく思いました。人々も、以前より明るい顔になり、復興への意欲が沸いてきたかのように見えました。

元気になろう!日本

元気になろう!日本  4月11日で地震発生から1ヶ月が経って、“自粛”しているのではなく、むしろ明日に向かって復興に動き出す時期だと思いました。そこで14日に行った決算発表会見で、ローソンの「“夢を応援”基金」創設を発表しました。これは、被災して、勉強をしたくてもできない学生さんの修学を支援するものです。日本の今後の復興と繁栄の為には若い方々のパワーが不可欠。たくさんの知識と技術を身につけ、社会の役に立つことをどんどんしていってもらいたいと思います。

  また、日本全体の経済活性化も重要です。震災後、女性が早く家に帰るようになったそうです。なぜでしょう?マチが暗く、怖いからです。ローソンは節電の必要な東電と東北電力の管内以外ではお店に明かりを灯し始めています。マチを明るくしても電力消費を抑えられるように、1年以内にLEDを全店舗に設置するなど、新しい技術を活用していきます。安心・安全な日本を取り戻し、「みんなの欲しいものが、欲しいときに、欲しいところにある」を実現させることでコミュニティに貢献し、商売をさせてもらい、またコミュニティに奉仕する。これが私達企業のあるべき姿なのです。

  震災がおこる前は、日本は自信を失っていました。多くの人たちが日本はダメだなあと思っていました。しかし、今、不思議なことに誰もが「日本はこれから立ち上がるのだ」「復興するのだ」と、強く信じています。歴史を振り返って見ますと、日本は必ず復興しています。また、海外の国々も日本に手を差し伸べてくれています。これは我々の先輩達が途上国へのサポートをしていたり、災害支援をしたりしてきたので、“徳”のお陰ではないでしょうか?ここで最重要なのは意思決定とその実行ができるリーダーです。人からなんと言われようと決めたことをブレずにやり抜ける精神力と、それを支える哲学を持っている仁です。何かを決めたら必ずそれによってマイナス面も発生します。それがあってもやるんだという強い意志が必要です。皆さんはそんな人材はいないよと思われるかもしれませんが、必ず若い世代に探せばいます。人事の要諦は迷ったら若返りです。これからの日本を作るのですから、若い人達に作らせ、それを支えるのが老壮ではないでしょうか?そのような人材を発掘し支えていきませんか!?

  ローソンには「私たちは“みんなと暮らすマチ”を幸せにします。」という企業理念があります。従業員・加盟店が一丸となって、今後も“みんなと暮らすマチ”の復興のお手伝いをしていきたいと思っています。

 

 

 

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