
■企業理念に込めた想い
代表取締役社長
CEO 新浪剛史
2009年1月末、「世界経済フォーラム(通称ダボス会議)」に参加しました。スイスの地方都市に世界の経済人や政治家が一堂に会する経済会議です。この中でローソンが持っている考え方を主張してきました。
「私たちは“みんなと暮らすマチ”を幸せにします。」
これはローソンの企業理念です。この企業理念に込めた想いを述べてきたのです。
この企業理念が持つ意味は社会との共生です。社会とともにみんなで幸せになりましょうという意味です。
企業のあり方は、儲けることがすべてだとは思いません。社会と一緒に生きていくことが重要なのです。こうした主張に対し、各国の方々が「世界が求めていくべき理念」と称賛を贈ってくれました。社会とともに生きる、地域とともに生きる、マチとともに生きることこそが、今後企業が目指していくべき道なのではないでしょうか。
■“元気計画”で閉塞感の打破を
いま、非常に速いスピードで世の中が変化しています。金融危機とそれに伴う景気低迷や雇用不安、また新型インフルエンザの流行、食の安全・安心をおびやかす偽装問題、さらには少子化と急激な高齢化、地球温暖化の進行など社会全体を揺るがすできごとが次々に起こっています。こうした問題に伴い、お客さまの心理に変化が起き、行動も変わってきています。社会はまさに大きな転換期を迎えているのです。この状況の中で、コンビニエンスストア(以下、CVS)はもとより、小売業、社会全体が閉塞感を打破する糸口を見出せずにいます。
そこでローソンは、マチと共生する企業として“元気”を社会に広めていこうと「ローソン元気計画」を2008年4月にスタートしました。マチ(地域)のお客さまにとって最も身近なお店として、みんなと暮らすマチの幸せに向けたローソンのチャレンジです。
お店で働く人々が明るく元気で、お客さまの欲しい商品やニュースがいつでも手に入る、きれいなお店を実現し、加えてさまざまな施策を展開していくことで、マチのお客さまに“元気”を発信していきます。
■変化に対応できるお店、ヒトづくり
ローソンは、社会の変化に対し、マチに合ったお店づくりを積極的に進めています。この取り組みは、既存のCVSのスタイルにとらわれない姿勢で改革を推し進めています。通常の青いローソンをベースに、美と健康と快適なライフスタイルを目指す「ナチュラルローソン」、お求めやすい価格帯で商品を提供する「ローソンストア100」、生鮮品を充実させた「ローソンプラス」といったそれぞれのマチのニーズに合った店舗を展開しています。また、日本郵政株式会社との提携を通じたコラボレーション店舗もあります。商品施策において、自治体との包括協定を通じて開発した地産地消・地産外消の商品のほか、これまで「ローソンストア100」で展開してきたプライベートブランド(自主企画商品)「バリューライン(VL)」を青いローソンにも導入する取り組みも進めています。
マチのお客さまに合った元気なお店づくりや商品づくりの実現に欠かせないのが、何よりもマチのお客さまを知ることです。ローソンでは全国7支社を中心に、マチに合った商品の開発や個店主義に基づく店舗経営を推進しています。個店の経営分析ツールを活用し、マチに合った商品やお店づくりのノウハウを蓄積しています。
また、元気なお店づくりは店舗で働くヒトが元気であることからはじまります。お店をサポートする社員も元気でなくてはいけません。クルーさん(アルバイト・パート)が考えた商品の開発を行ったり、加盟店オーナーさんと経営陣が直接対話する機会を設けたり、ママさん社員が働きやすい勤務制度を取り入れたり、社員を日本以外の国から採用したりと、ローソンファミリーが元気になる仕組みを積極的に導入しています。
■低炭素社会に向けた取り組み
ローソンは、マチに住むみなさまが安心して暮らせる元気な地球を次世代に残すために何ができるか、つねに自身に問いかけてきました。その答えの一つが、低炭素社会の実現に向けた責任を果たすことです。そのために、CO2排出削減の自主行動目標を設定しました。2012年度までに1店舗当たりの電気使用に基づくCO2排出量を2006年度比で10%削減することを目指すもので、総量では2006年度比で年間約6万tの削減に相当します。
店舗では電気使用を減らすために、要冷機器や空調機器、照明などに電気使用を抑える省エネルギー機器の導入を進めています。また、CO2を大幅に削減するためにはイノベーションが必要です。そこで新たな挑戦として環境対策集約店舗を広島県呉市にオープンしました。新たな技術やノウハウを検証しつつ、さらなるCO2の削減を進めます。
人工知能を用いて店舗の電気使用量を総合的に減らす実験も東京大学生産技術研究所などとともに行っています。店舗の設備、それを運用する方法、建物外部からの影響など広い視点で環境対策を進める取り組みです。
また、エコカーである電気自動車の普及に向けた実験も行っています。これまでにも店舗を巡回する社有車にはアイドリング自動ストップ車やハイブリッド車などのエコカーを導入してきました。より一層のエネルギー使用削減に向け、電気自動車の導入を進めます。
さらにローソンは、低炭素社会の実現に向け、マチのお客さまのご理解や共感いただく方々のご協力が不可欠であると考え、マチのお客さまが日々の生活の中でできる環境保全活動を提案しています。レジ袋・割り箸削減のために、自分のバッグやお箸をつねに持ち歩く「ケータイ運動」、国内外の森林整備活動を支援するローソン「緑の募金」などを実施しています。
私たちローソンも含め、低炭素社会への地道な取り組みを進めることで、ある程度はCO2を削減することができるでしょう。しかしまったくゼロにすることはできません。そこでローソンではお客さまのCO2削減を補う取り組みとして、2008年から「CO2オフセット運動」をスタートしました。ローソンは、お客さまをはじめ、オーナーさん、クルーさん、本部社員が一緒になって小さな取り組みを着実に積み重ねていくことが、地球にとっての大きな成果につながっていくと考えています。
こうした取り組みはすべて企業理念である「私たちは“みんなと暮らすマチ”を幸せにします。」のもとにあります。ヒト、マチ、地球の元気に向け、小売業としての枠を超えた真の社会的インフラを目指します。
